「鬼と人と―信長と光秀」堺屋 太一
2006/03/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
●織田信長ほど、常識を突き抜け、
さまざまな評価を受ける人はいないでしょう。
鉄砲を使った合理的な戦闘集団を作り、
楽市・楽座で経済を活性化させる手法により、
天下統一にあと一歩に迫った改革者でした。
・俺は・・・織田家累代の重臣を味方にするよりも、
技量もなければ思慮の浅い連中を率いて
戦に勝つ方法を考え出す方法を選んだのだ(信長)(p80)
●そして、比叡山焼き討ちなど、敵を抹殺する非情さ、
そして能力のみで部下を処遇する
冷酷な指導者でもあります。
・人を選ぶ上で大切なのは、
目的を達するのに役立つか害になるかであって、
善意か悪意かではない。
俺はそう信じそのようにして来た。
そうでなければ、
この乱世を行き戦に勝つことはできない。(信長)(p37)
●この本では、その時代の出来事を、
信長と光秀に相互に語らせます。
すると、自然と、革新的な織田信長という人間像と、
古来の日本伝統を尊重する明智光秀の人間像が、
陽と陰としてくっきりと浮かび上がってくるのです。
●同じ事象に対して、これほど見方が違うものか!と
驚くと同時に、冷酷な信長にほんの少しの情があれば、
天下統一は成し遂げられたと感じずにはいられませんでした。
戦国の歴史だけではなく、
人の心の妙味を味わせてくれる一冊です。
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・他人に頼ることは、他人に支配されることだ。・・・
そして俺は、支配されることが大嫌いだった。(信長)(p15)
・鉄砲を大量に使うにはそれにふさわしい組がいる。地侍や百姓に
それをさせようとするのは、馬に木登りを仕込むに等しい。
古い仕組みをそのままに中身ばかりを変えようとしたのが
勝頼の阿呆さよ。(信長)(p42)
・誰が考え出したにしろ、よい方法を真似るのに躊躇うことはない。
真似るのは恥ではない。善し悪しも考えずに、根本を知らずに、
形ばかり真似るのが危険なのよ。(信長)(p86)
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すごい本です
【私の評価】★★★★☆(85点)
●著者経歴・・・堺屋 太一
1935年生まれ。大学卒業後、通産省入省。日本万国博覧会を企画。
沖縄海洋博、サンシャインン計画を推進。1978年退官。
執筆、講演活動を行う。著書多数。
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