「チャーチルの強運に学ぶ―断じて絶望するなかれ」ジェームズ・ヒューム
2006/09/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
●本書は、イギリスの名相
ウィンストン・チャーチルの名言集です。
チャーチルは酒好き、
女好きだったようですが、
ことの本質を見破る目を
持っていたようです。
チャーチルの偉大さは、
まず、ナチスドイツの危険性を指摘し、
宥和策をとる英国政府を
批判していることでしょう。
・宥和政策そのものは状況次第で上策にも下策にもなろう。弱腰からではなく強い立場からとる宥和政策は度量の大きい高潔な政策である。それは世界平和への確実な、おそらくは唯一の道なのかもしれない。(p122)
●また、ドイツとの戦争に勝つためには、
アメリカを戦争に巻き込むことが
必須であることを理解し、
日本を戦争に巻き込んだ張本人と
言われています。
・日本を戦争においこんだ一つの原因はチャーチルだといわれています・・・日本に石油を売らないように手を回したのはチャーチルだという説もあります。(p10)
●そして、戦後は、ソビエト連邦の危険性を察知し、
社会主義の危険性、愚かさを糾弾しています。
そうしたなかで、
戦後米国ミズーリ州フルトンの演説で
チャーチルは「鉄のカーテン」
という言葉を使ったのです。
・資本主義の悪徳は、恩恵の不平等な分配にある。社会主義の美徳は、悲惨の平等な分配にある。(p130)
●最後に、チャーチルは、
EUヨーロッパ諸国連合の必要性を
説いています。
いかに先見の明、
物事の本質を見切る能力を持っていたのか
ということがわかるでしょう。
・われわれは一種のヨーロッパ合衆国といったものを建設するべきである・・・この差し迫った仕事では、フランスとドイツが互いに協力し合わねばならない(1946年)(p153)
●酒好き、女好きだから先見の明があったのか、
先見の明のある人物がたまたま酒と女とジョークが
好きだったのかはわかりませんが、
チャーチルが偉大な人物であったのは
間違いないようです。
名言集ということで、
断片的にチャーチルを垣間見るだけですが、
もっとチャーチルを研究したくなりましたので、
★3つとします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・(チャーチルは)海軍大臣になるやいなや、海軍では素人のくせにたちまち問題点の要点をつかまえて改革に乗り出したのです。その手段として彼が実践したのは、「一番権威ある人からきく」という方法です。(p6)
・世界を旅してみると、人間は大きく二つに分けられることに気づくだろう。「どうしてこれこれは誰もやらないのか」と言う人々と、「誰が何と言おうが私がやってやろうじゃないか」という人々である。(p116)
・確実に倹約、節約したいなら、役人の数を減らすことだ。(p129)
・国家は課税によって豊かになるという考えは、人の心を惑わせてきた残酷な妄想である。(p212)
・ローマの格言に「武器を研げ、そして国境を広げるな」というのがある。(p145)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
■著者経歴・・・ジェームズ・ヒューム
米国フィラデルフィア在住。アイゼンハワー、ニクソン、フォード、
レーガンと歴代の大統領の演説草稿家として活躍。
その後、20年間にわたり、チャーチルの研究を行う。
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