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「松下幸之助翁82の教え―私たち塾生に語った熱き想い」小田 全宏

2005/08/30公開 更新
本のソムリエ
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「松下幸之助翁82の教え―私たち塾生に語った熱き想い」小田 全宏


【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

私の知らないエピソード

本のソムリエは、松下幸之助関係の本をほとんど読んでいると自負していました。しかし、この本が抜けていたとは驚きました。読んで驚いたのは、私の知らないエピソードが5つ以上あったということです。松下政経塾で直接学んだ著者の面目躍如でしょう。


例えば、第一期生の入塾式の時、松下幸之助は風邪で体調が悪いにもかかわらず、塾生を前に「今日、私は死ぬ気で来ました。しかしもし、日本に命運があるなら必ず私を継いでくれる人が現れる。そういう人が一人でも出てきたらこの塾を開いた価値がある」と語ったというのです。


未来は人がこうありたいと願うことでより確かなものになると思うなぁ。松下幸之助(p2)

志はあるのか

松下のエピソードをざっと見てみると、松下の叱り方というものは、「これができないようでは、君の使命は達成できないぞ!」というものであることがわかります。


例えば、松下幸之助は松下政経塾の塾生に「掃除が完全にできない人間に、世の中の掃除などできない」と言っていたという。また、礼状を書くことを失念してしまった塾生に「礼状一本書けんようでは、天下のことはできんな」と言ったというのです。


ここに人を動かす要諦があるように感じました。松下幸之助の心の根底には、大きな目標、大きな志があるのです。


君らが仮に選挙に出たとしても、相手の政党や候補者の悪口は絶対言ってはいけませんな。むしろ、あそこの政党も頑張っておられます。あそこの政党の政策も結構よく考えられておられます。でも一つ、私たちの話も聞いてください。私たちの政策も素晴らしいもんでっせ!と、こう言うのや(松下幸之助)(p157)

志はあるのか

私の知っているエピソードも、うまく伝えてくれますので、思わず二回も涙してしまいました。例えば、松下幸之助は塾生に向かって「君らな、言い出しべになれ」と語っていたという。この「言い出しべえ」、つまり最初に始めるというのは言葉では簡単だが、実際にはなかなか難しいのです。


著者の筆力によるものでしょうが、それにしても松下幸之助の話はどうしてこうも心を動かすのでしょうか。松下幸之助の言葉と心を伝える名著として、心から推薦いたします。


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この本で私が共感した名言

・松下翁と縁のある人と話をしていると、かつて松下翁と面談した際、面会が終わった後、わざわざエレベーターのところまで見送りに来て、エレベーターの扉が閉まる時に、深々と頭を下げた松下翁の姿が瞼に焼き付いて離れないとよく言う。(p182)


・社会の本当の姿を学ぶには、本の中だけではまったく足らんで。本はあくまで空論やな。現実はもっと違うな。君らはまずガード下に行って靴磨きをすることや。どうしたら儲かるか考えてみ。そしていろいろ工夫するんや。そして靴磨きから人を見てみ。いろいろ見えるで。(松下幸之助)(p70)


▼引用は下記の書籍からです。
「松下幸之助翁82の教え―私たち塾生に語った熱き想い」小田 全宏


【私の評価】★★★★★(94点)


目次

第1章 会社を元気にする三十六講
第2章 日本を建て直す十六講
第3章 自分を高める三十講



著者経歴

小田 全宏(おだ ぜんこう)・・・1958年生まれ。松下政経塾入塾。人間教育を研究。1991年(株)ルネッサンス・ユニバーシティを設立し、企業向け人材教育実践活動を行う。1996年NGO団体地球市民会議・リンカーンフォーラムを立ち上げ、総選挙・知事選挙などで公開討論会を600回以上開催。2000年から「首相公選の会」を主催。


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