「中国がクシャミをしたら―世界の工場から巨大消費市場へ」邱 永漢
2005/08/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
製造業においては、アジアで生産し日本で販売するだけではなく、日本で生産しアジアで販売するというのが普通になってきました。必然的に中国に行く日本人が増えています。
この本は、そうした中国に行く日本人が、中国人と付き合ううえでの予備知識を得るために最適な一冊だと思います。
・最初のうちはきちんきちんと支払いをします。すっかり信用を得て、取引高もふくれあがったところで突然、支払いがとどこおりはじめます。・・・銀行からも取引停止を食らいます。もうその頃には代理店の老板(旦那)は姿をくらましてしまいます。・・・こんな目にあうことは中国ではよくあることです。(p45)
実は、ダイキン、ユニクロ、東芝など中国で業績を上げている会社は、こういう中国の実態を学び、対策をとっているのです。
たとえば、ダイキンは、高級ブランド戦略、完全前払いなどお金の完全回収のために工夫をしています。
逆にいうと、中国を知らなければ失敗の可能性が高まるわけで、これから中国に関係する仕事をしようとしている人には必読の書でしょう。
・どうして日本人スタッフが必要かというと、中国人の中で生活すればすぐにわかります・・日本人のスタッフにたのんでおいたことは翌日、ちゃんとやってくれたかなと心配する必要がないのです。(p21)
この本は邱 永漢さんのホームページ「ハイハイQさんQさんデス」の「もしもしQさんQさんよ」の内容をまとめたものですので、参照してみてください。
この本で私が共感した名言
・私自身、この三十年あまり思い立ったら世界中どこにでも旅行に出かけました・・旅行というものはやれる時にやるもので、お金が残っていても時間がなくなってしまうものです。(p67)
・一口で言えば、膨大な人口を抱える中国、続いてインドの工業化が進み、人口二十億をこえる地域で生活のレベルが上がったら、資源不足(食料を含む)が人類最大の問題になるだろうということです。(p135)
・「治にいて乱を忘れる勿(なか)れ」と言いますが、本当はふだんからこのままで大丈夫かなと反省する必要があります。私の場合は、銀行からお金を借りてビルを建てた場合、万一、約束通りお金が返せなくなったら自分の家も売り払わなければならないと覚悟を決めて、ビルの一角に自分たちの家族が住めるようにトイレの隣にシャワーの準備までしました。(p215)
▼引用は下記の書籍からです。
廣済堂出版
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
著者経歴
邱 永漢(きゅう えいかん)・・・実業家。1924年生まれ。東京大学経済学部卒業。台湾より香港へ亡命し、直木賞受賞作家となる。その後、株の神様、お金の神様といわれながら、事業活動を行い、現在も年間120回飛行機に乗って、東京、台北、上海を飛び回る。著作は約400冊にのぼる。
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