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「指導者の帝王学」山本 七平

2002/08/14公開 更新
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[新版]指導者の帝王学


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

渋沢(栄一)は一面において情報収集魔であり,ありとあらゆる情報を集め,それに基づいて判断を下していた。同時に,上申魔といわれるくらい自分の思ったことはどんなことがあっても,だれにでも上申する。いったい,どれくらい上申したか分からないくらいである。


●情報を収集し,現実を直視し,
 自分で考え,信念を持って行動する。


 これらのうち,どの段階が抜けていても
 自分の考えは現実化しないでしょう。


 あなたはどの段階でしょうか。
 私は「現実を直視」の
 段階くらいかもしれません。


■この本では、歴史の指導者を俯瞰して
 その特徴を列挙しています。


 そうした先人の事例を知ることで
 私たちの人生に反映させるべきことが
 見えてくるのでしょう。


この本で私が共感した名言

・信長は・・部下の報告を聞く場合、いわゆる礼儀にかなった長々しい前置きを非常に嫌い、常に「要件を端的に言え」と要求した(p11)


・住友の事業のうえでの開祖は蘇我理右衛門という人で・・・理右衛門は銅の精錬にまったく新しい技術を開発したが、その長男の友以がこの技術を受け継いで住友家に入り、事業の基礎を築いた・・・これを秘伝として自分のところで独占していたかというと、そうはせず、大阪の同業者に全部伝えた。平気で公開してしまったわけである(p29)


・徳川時代に武士を開墾に回し農業をさせたのは、おそらく鷹山だけであろう(p55)


・わが国で独自の法秩序を最初につくったのは北條泰時である・・・泰時以前の日本は中国からの継受法、すなわち翻訳した法律である律令を法としていた。ところが、泰時が貞永元年(1232)に公布した貞永式目(御成敗式目)はそういった継受法ではなく、日本独自の法律であった(p65)


・明治政府における渋沢の業績・・・「円」という呼称も、実はこのときにつくられた。メートル法の採用、現在の郵便法の採用なども、渋沢の立案によるものだ(p128)


・彼(福沢諭吉)は万延元年(1860)1月13日、使節団を護衛する幕府の軍艦咸臨丸(かんりんまる)に乗り込んで雄躍品川沖を出帆した・・・使える金のほとんどをつぎ込んで原書を買って帰った。二度目の渡米の折に福沢が購入した原書の量は茶箱が9つ、書籍箱が12箱、辞書はもとより地理、歴史、法律、数学、経済の各分野に及んだ(p148)


▼引用は下記の書籍からです。
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山本 七平
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

<第一章>織田信長・創造のための破壊 
<第二章>住友友信・慎重、用心第一の処世訓 
<第三章>上杉鷹山・すべてを生かす経営革命 
<第四章>北条泰時・権威なき支配力 
<第五章>鈴木正三・日本資本主義の精神 
<第六章>石田梅岩・町人の哲学 
<第七章>渋沢栄一・産業の総帥としての挑戦 
<第八章>福沢諭吉・断絶なき思想 
<第九章>三野村利左衛門・情報収集と組織づくり 
<第十章>論語・秩序づくりの規範 
<第十一章>孟子・リーダーの条件と資質 
<第十二章>貞観政要・人材を見分けるポイント



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