「儲かるようにすべてを変える―社長の経営革新」井上和弘
2002/08/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
●企業再建の名外科医といわれる
コンサルタントが教えるデフレ時代の
中小企業経営の教科書です。
インフレ時代は売上を上げる、
設備投資する、社員を採用して
イケイケで経営できていました。
逆にデフレ時代は商品を絞る、
設備はリース、人件費にも切り込んで
固定費を削減しないと生き残れません。
・儲からない事業はたたみ、赤字商品を削り、商品コストを徹底的に削り・・・商品価値を落とすことなくコストダウン(p14)
■デフレ時代は「たたむ」「削る」「変える」
ことが必要となります。
ただ、それが難しいのが現実です。
鬼といわれても会社を守るために
手を打っていかなくてはなりません。
現場で実際にコンサルティングし,
実績を残している筆者の話には
迫力と説得力がありました。
・会社は「社長の得手の分野でつまずく」ことが多いのである(p69)
●優秀な人ばかりだと、
派閥による内部抗争がおきるらしい。
だから平凡な人でも利益が出る「仕掛け」
「仕組み」をつくり、改善しつづける。
有能な片腕が三人いれば組織は動くので,
「管理会計」「システム」「企画」といった
クリエイティブ・スタッフを可能なかぎり
充実させる攻めについても説明されています。
日本経営合理化協会なので9800円と高額ですが,
中小企業の経営者は必ず読むべき本でしょう。
この本で私が共感した名言
・営業部門は資金繰りのことをほとんど考えていない・・・支払いのサイトが何日で、平均在庫がどれくらいなどということには無関心・・・利益がいつ現金になるのか考えようとはしないものである(p38)
・明治維新でもそうだが、上が一気にいなくなった時、けっこう中堅でやっていけるものである。それだけの能力は備わっている(p45)
・平凡な人材でも業績を上げることのできる会社全体の仕組みを考える・・・優秀な人材が集まったらどうなるか。私の経験上、そういう人材面で胸を張っているところほど、内部抗争が絶えない(p47)
・コストダウンの基本原則は、「仕入先を全部買える」ことだ・・・どの会社でも、癒着とまではいかなくとも、馴れ合いがある。実際やってみると、変えたところは仕入値が必ず下がり、取引を継続するところでも向こうから下げてくる・・・それができないなら仕入担当者を変える(p53)
・とくに問題なのは「固定資産」だ。みなさんどうして土地、建物、機械を持ちたがるのだろうか・・・少ないお金を土地に固定化してしまう危険性を考えるべきなのである(p92)
・「在庫は腐りやすいお金」と思えなければならない(p96)
▼引用は、この本からです
日本経営合理化協会出版局 (2000-04-01)
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【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第一章 収益力を急回復させる──たたむ・削る・変える
第二章 利益増大の次の一手──回転経営への転換
第三章 商品・サービスへの手の打ち方
第四章 資産への業種別手の打ち方
第五章 人と組織への規模別手の打ち方
第六章 新たな高収益体勢づくり=しかける・仕組む・しつづける
著者経歴
井上和弘(いのうえ かずひろ)・・・1942年大阪生まれ、早稲田大学卒。イタリア・フローレンス大学留学後、大手経営指導機関を経て、84年ICOコンサルティングを設立。後継社長塾塾長の他、数多くの社長塾を主宰。企業再建の「名外科医」として赤字会社に入り込み、社長や役員を叱りとばしながら、思い切った手を果敢に打って収益力を短期間で回復させ、黒字転換するまで情熱的に指導することで定評がある。 これまで300社を直接指導。
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