「地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ」深井 有

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地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ (平凡社新書)

【私の評価】★★★★★(90点)


■タイトルどおり、
 地球は今後、小氷河期に入る
 予想する一冊です。


 伝熱学会の会誌に同じような記事があったなあ、

 と思いながら読んでいました。


 つまり、CO2の温暖化よりも、
 太陽の活動がより大きな気温変動を
 起こしているのではないか、
 という意見です。


・1600~1800年ごろには寒冷期
 (小氷河期:マウンダー期)があり、
 100年前後と1000年前後には温暖期
 (ローマ温暖期と中世温暖期)
 があったことがわかる。
 近年の温暖化は300年前の小氷河期からの
 回復過程であって、今は1000年ぶりに
 温暖期が戻ってきたところなのだ(p94)


■太陽活動(黒点数)に合わせて
 地球の気温が変化していることは
 よく知られています。


 つまり、太陽活動の変化により
 宇宙線強度が変化し、
 その宇宙線強度によって
 低層(3.2km以下)の雲量が変化し、
 地表面の温度が変化する。


 そして現在は、マウンダー期と呼ばれる
 小氷河期に入る前の状況と
 よく似ているのです。


 つまり、太陽の黒点数が減り、
 太陽の地場が弱まっている。


・マウンダー期には100年以上にわたって
 まったく(太陽の)黒点が見られなかった・・
 そして現在、黒点数は急激に減少している。・・
 現在は、黒点数の減少とともに太陽磁場も
 急速に弱くなっている(p105)


■CO2によって確かに地球は温暖化している
 かもしれませんが、
 それ以上に太陽の活動の影響が
 大きいのではないか、という意見でした。


 いろいろな学会で地球温暖化について
 意見を戦わせていただきたいものです。


 そして、京都議定書では、
 まんまと欧米に嵌められた日本としては、
 同じことにならないよう多くの情報を基に
 政策を決めてほしいと思います。


 深井さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・温暖化は300年前から起こっていたことであって、
 その主な原因を人為的CO2排出に求めるには
 無理がある(p29)


・IPCC第2、3、4次報告書の主筆を務めた
 トレンバースは2009年10月12日の
 仲間うちのメールに書いている。
 「温暖化が起こらなくなった原因は
 今のところ説明できない。
 われわれプロにして、こんなことが
 できないとはお笑い草さだな」(p16)


・世界の気温は過去100年間に波打ちながら上昇し、
 1998年からは頭打ちになった・・
 IPCCは過去100年間の平均気温上昇を
 大気中のCO2の増加によるものと仮定して、
 大気大循環モデルの枠踏みの中でスーパー
 コンピュータによる予測を行った結果を報告している・・
 最近16年間の頭打ちはまったく表現できず、
 その食い違いは将来ますます大きくなる
 ことが見て取れる(p21)


・重要なのは、今後、太陽活動は
 数十年から100年にわたって弱まり、
 地球を寒冷化に向かわせるに
 違いないという予測である(p7)


・EUの主導で進められた議定書作成の過程での
 最大のトリックは1990年を規準に採ったことである・・・
 1990年にエネルギー技術の遅れた東欧を抱えていた 
 EUはその後の技術移転によって議定書制定時に
 地域全体ではすでに大幅な排出削減を達成していた(p156)


・途上国から見れば、先進国が手を組んで
 自分たちに地球の資源を使わせないように
 枠を嵌めようとしている、と感じているに
 違いない。そして、それは、たぶん正しい(p158)


【私の評価】★★★★★(90点)



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■目次

第1章 CO2温暖化論が破綻するまで
第2章 太陽が主役、新しい気候変動の科学
第3章 あまりに政治化された「地球温暖化」
第4章 今後とるべき政策を考える




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