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「ムダな仕事はもう、やめよう!」吉越 浩一郎

2010/09/02公開 更新
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ムダな仕事はもう、やめよう!


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

 天使のブラのトリンプの社長として、で残業なしで19年連続増収増益を達成した吉越さんの仕事術です。


 仕事を減らすのではなく、少ない時間でそれまでと同じ量の仕事を効率的にやることを目指します。そのためには「残業をやめる」と決める。自分で時間を絞って、その中で今までと同じ、またはそれ以上の仕事をするのです。


 つまり、仕事を早く片づけなければいけない環境に自分を追い込むのです。自分から仕事を作ってもいいし、急いで片づけないと信用を失うような状況をつくってもいいのです。残業しないと宣言して、後に引けない状況をつくってもいいと著者は言うのです。


・残業をやめる・・・これまでと同じ仕事のボリュームを定時までに片付ける意識があってこそ、仕事の質は高まるのである。・・・ゆとり教育が、なぜ批判されているのか。それは授業時間を減らすと同時に、学ぶべき内容を一緒に削ってしまったからだ。(p55)


 そして、仕事ではデッドラインを設定します。厳しい期限を決めることで、自分の能力最大限発揮するようにするのです。締め切りがあるとその時間までに終わらせようとするのが、人間の潜在意識なのでしょう。


 逆に締め切りがないと、ダラダラと時間を使ってしまい、なかなか仕事が終わらないということになってしまうのです。定時に帰ると、毎日の時間の使い方が一変するのです。


・デッドラインのない仕事は終わらない(p76)


 また、効率的に仕事をするだけで時間外がなくなるわけではありません。遅くまで残って残業するなら、早朝に出社してみましょう。早朝出社が定着すると、周囲の人も自分が定時に帰ったとしても、「残業分の仕事を早朝にこなしているのだろう」と思って、定時に帰っても誰も気に留めないようになるという。


 定時に帰って、その時間でリフレッシュする、自己啓発のために本を読む、セミナーに出席するなど自分の能力を高めてもよいでしょう。いかに効率化して浮いた時間をどう使うのかであなたの未来は決まるのです。


・残業せずに早く家に帰るので、毎日、睡眠時間を十分に取れる。体力が充実するから、朝一番から気分はすっきりしているし、頭もフル回転。能力を発揮して効率よく仕事を片づけるので、残業する必要もない。(p66)


 実は私も定時退社スタイルなのですが、吉越さんの言っていることは本当だと思います。ただ、実際に体験してみないと、その本質は理解できないもの。まず、定時退社を実行してみていただきたいと思います。でも仕事は、ガッチリやりましょう。


 また吉越さんが言うように、長期休暇は出世してからでいい、という考えが正しいとは限りません。出世してからでは、ますます休みづらくなるからです。若いうちから、定時退社、長期休暇をしながら成果を出していく。それでも出世するというのが理想ではないでしょうか。


 仮に出世できなれば、自由な時間が増えるので、さらに長期休暇を取りやすくなるし、勉強して他社に転職してもよいのです。日本人離れした吉越さんのアドバイスですが、10年後には常識になっているかもしれません。吉越さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ここで先に片づけるべきは、「興味はないが重要度が高い仕事」だ。興味のない仕事をやると気持ちが乗らずに効率を落としそうだが、会社はこの仕事を終えないと回らないのだから、割り切りが必要(p92)


・前の会社の社長時代、私の口癖は、「そこに川があったら、とにかく飛び込め」だった(p112)


・義理と人情は、ロジックのすき間に流す(p138)


・三つを統合してAという一つの部にしてしまえば、部署間のケンカは起きない。ただ、ABCの各部をまとめるD部門を作って、見せかけだけの統合をしても意味がない。これでは部門内に新たな壁が作られるだけだし、レイヤーが一つ増えるためにかえって意思決定のスピードが鈍る(p168)


▼引用は下記の書籍からです。
ムダな仕事はもう、やめよう!


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

第1章 仕事で幸せになる考え方
第2章 残業禁止で、すべてが好転する
第3章 ムダな仕事から、上手に逃げる方法
第4章 迷っている時間が一番のムダだ!
第5章 「仕事の常識」を疑う人が成長する



著者経歴

 吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。


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