中央公論社 (1991/08)
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今、考えないといけないこと
今も昔も変わらぬ日本の組織
少なくとも、戦史として読む本ではない
●この本は2つの楽しみ方があると思います。落胆するか、苦笑するかです。
●軍が役所と名前が変っただけで、日本の本質が変っていないことに、とてつ
もない落胆と悲しさを感じました。それでも、この日本で生きていかなくては
ならないのですから、しっかり対策を考えましょう。
・いかなる軍事上の作戦においても、そこには明確な戦略ないし作戦目的
が存在しなければならない。目的のあいまいな作戦は、必ず失敗する。
(p188)
●会社の戦略があいまいな場合が非常に多いですよね。やはり自分で会社
の戦略を作るくらいの気持ちでいきたですね。
・個々の戦闘における「戦機まさに熟せり」、「決死任務を遂行し、聖旨
に添うべし」、「天佑神助」、「神明の加護」、「能否を超越し国運を
賭して断行すべし」などの抽象的かつ空文虚字の作文には、それらの
言葉を具体的方法にまで詰めるという方法論がまったく見られない。
(p202)
●これも日本の長期計画などを見ると、まさに「抽象的かつ空文虚字の作文」
なんですよね。自分で書くならどう書くか、考えたいですね。
・(インパール作戦)六月上旬に河辺方面軍司令官は第十五軍の牟田口
司令官を訪れた。両者とも作戦中止を不可避と考えたにもかかわらず、
「中止」を口に出さなかった。牟田口は「私の顔色で察してもらいた
かった」といい、河辺も牟田口が口に出さない以上、中止の命令を
下さなかった。(p219)
●「オレの顔を見て分らなかったのか」と言っていた上司がいました。
分らない私が悪いのか、言わない人が・・・・・。
・米国は艦型の種類を絞り同型艦をできるかぎり長期間設計変更しない
で大量生産方式でつくることに力を注いだ。・・・他方、日本海軍
では、・・・・・・まさに一品生産的なつくり方である。(p214)
●GEと三菱重工業を比べると、まさにこの通りですね。大量生産と
一品改善主義。どちらがいいとはいえませんが、今のところ会社の
利益率から見て前者がよさそうです。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・個人責任の不明確さは、評価をあいまいにし、評価のあいまいさは、
組織学習を阻害し、論理よりも声の大きな者の突出を許容した。
(p237)
「失敗の本質」戸部良一、中央公論社(1991/08) ¥800
(評価:★★★★★:絶対お薦めです!家宝となるでしょう。)92点
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