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「小保方晴子日記」小保方晴子

2023/09/30公開 更新
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「小保方晴子日記」小保方晴子


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

サンプルが盗まれたと証言したのは若山教授夫人

STAP細胞問題とは何だったのか、私の中で結論は出ていませんので、関係書籍ということで読んでみました。まず、この本は小保方さんの日記を書き出しただけで、STAP細胞問題の全体像はまったく見えてきません。また関係者の氏名がすべて仮名となっており、小保方さんとしてはSTAP細胞問題の真相解明は「あの日」で十分ということなのでしょうか。


ただ、いくつか新しい情報がありました。STAP細胞問題では、ES細胞が小保方さんの冷凍庫から見つかったことで、小保方さんがES細胞をSTAP細胞と差し替えたのではないかとの疑いを受けていました。小保方さんはそれらのES細胞を含むサンプルを見知らぬものとしており、そのサンプルはどこから来たのでしょうか。


この本では、ヒッポさんが「そのサンプルは自分のもので、盗まれた」と警察に証言していたというのです。ヒッポさんとは、小保方さんが作ったSTAP細胞からキメラマウスを作り、多様性を証明するところを担当していた共同研究者である若山照彦教授の夫人なのです。小保方さんがサンプルを移動していないことは小保方さん自身わかりますので、犯人が若山照彦教授周辺にいることを小保方さんは確信したのです。


報道された元留学生が作製したES細胞に加え、「ヒッポさんのもの2本」と写真を見せられた・・私は見知らぬES細胞が自分のサンプルボックスに入っていたことを知らされ、薄気味悪く思っていた・・・ヒッポさんのだったんだ。盗まれたって言ったんだ(p190)

小保方さんが盗んだことにしたい黒幕の存在

また、「NHKスペシャル」では、小保方さんが若山照彦研で作製されたES細胞が小保方氏の冷凍庫から見つかったと報道され、小保方さんが盗んだと決めつける内容でした。ところが、盗まれたとされるES細胞とSTAP細胞の捏造に用いられた細胞は別物だったのです。


また、翌年には小保方さんが若山照彦教授の研究室からES細胞を盗んだとして、理化学研究所の元研究員の石川智久氏が、小保方さんを警察に告発しています。検察は「窃盗の発生自体が疑わしい」として不起訴としています。


小保方さんが気づいたのは、「NHKスペシャル」で放送された写真と、告発者が告発状に掲載した写真は同じで、同じ情報提供者が存在しているということです。NHKスペシャルにここまで詳細に情報提供し、元理化学研究所の社員に告発させ、若山照彦教授や夫人に証言させている黒幕がどこかにいるのです。


NHKスペシャル」で放送された写真と、窃盗の証拠として告発者が告発状に掲載した写真は同じ。きっと同じ情報提供者が発信源になっている(p70)

情報源を明らかにするべき

NHKスペシャル」のプロデューサー、小保方さんを告発した石川智久氏は情報源を明らかにするべきではないでしょうか。そのうえで、情報工作活動に加担したことを謝罪するべきでしょう。また、そうした裏で情報工作活動をしていた黒幕がいることがわかっていたはずなのに、その疑念さえ報道しないマスコミに日本人として恥ずかしく感じました。


小保方さんの日記では、マスコミから追われ、ドアを叩かれて、吐き気を催し、眠れなくなり、焦燥する日常が記載されていました。思い込みで報道し、真実を追及しようとしないマスコミ。小保方さんの日常を追いかけプレッシャーをかけるマスコミ。仕事でやっていることとはいえ、ジャニーズ問題を含めて疑念しかありません。


また、調べればわかるはずなのに、小保方さん一人に責任があるかのような対応をした理化学研究所と小保方さんの博士論文を取り消した早稲田大学に失望しました。なお、エイプリルフール若山照彦教授、エイプリルヒッポ特任助教は普通に研究活動を続けているようです。小保方さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・インターホンの音で目が回り、吐き気を催す。インターホンは音が出ない設定にできても、ドアを叩く音は消しようがない。この薄いドアの向こうには記者がいる(p262)


・NHKに変な報道をされた・・記者が自分の思い込みを補強するための情報のみに目を向け、都合のいいタイミングを見計らって、正確な事実確認を怠ったまま全国放送を行う報道姿勢への憤りのほうが強くなった(p48)


・つらい思い出を文字化する時は、息が止まるほどお腹に力が入る・・あの時のあの場面が、その時に私が抱いた感情が、みるみる蘇る。書く前から息が止まりそうだ(p145)


・テレビで芸能人に「人間としてダメ」と言われた。こんなふうに言われた私は、どうやって生きていったらいいのだろう(p229)


▼引用は、この本からです
「小保方晴子日記」小保方晴子
小保方靖子、中央公論新社


【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

とにかくどこかへ......2014年12月・15年1月
無間地獄......2015年2月
行き場のない怒り......2015年3月
入 院......2015年4月
告発状......2015年5月
壊れた記憶......2015年6月
屈辱の振り込み......2015年7月
博士論文不合格通知......2015年8月
手記の執筆......2015年9月
学位の取り消し......2015年10月
大きな権力......2015年11月
新しい皮膚......2015年12月
発売即重版......2016年1月
事情聴取......2016年2月
私にとっての希望......2016年3月
BPOのヒアリング......2016年4月
外に出たい......2016年5月
小説を書く......2016年6月
焦 り......2016年7月
記者が来た......2016年8月
断 薬......2016年9月
手提げ鞄一個で......2016年10月
あとがきにかえて
〈特別対談〉必ずまた、花は咲く 瀬戸内寂聴×小保方晴子



著者経歴

小保方晴子(おぼかた やすこ)・・・千葉県生まれ。早稲田大学、同大学大学院、東京女子医科大学先端生命科学研究所、ハーバード大学医学大学院、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)で研究に従事。2014年12月、理化学研究所を退職。著書に『あの日』がある。


STAP細胞関連書籍

「STAP細胞 事件の真相」佐藤貴彦
「STAP細胞 残された謎」佐藤貴彦
「あの日」小保方 晴子
「小保方晴子日記」小保方晴子
「捏造の科学者 STAP細胞事件」須田 桃子
「STAP細胞はなぜ潰されたのか ~小保方晴子『あの日』の真実~」渋谷 一郎


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