【書評】「教科書経営 本が会社を強くする」中沢 康彦
2023/08/25公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
経営の教科書を経営に反映させる
経営学の教科書を参考にしている経営者の声を集めた一冊です。星野リゾートの星野佳路代表、ワークマンの土屋哲雄専務、ジャパネットたかたの髙田明氏、エーワン精密の梅原勝彦氏など、読者の皆さんにもおなじみであろう方々が紹介されています。
経営者は常に悩んでいます。大きな会社であれば、社内の企画部門や経営コンサルタントに相談しながら会社の方針を決めていると思います。では経営コンサルタントが何を参考としているのかといえば、世界の成功事例を研究し標準化した経営の教科書なのです。
であるのならは、経営者自らが経営の教科書を読んで、経営に反映するのは当たり前のように感じます。例えば、「1分間エンパワーメント」という本がありますが、星野リゾートの星野佳路氏や、スノーピークスの山井氏が活用し、社内で社員が当事者意識を持って仕事ができるようにしているという。
スノーピーク会長兼社長・山井太・・「1分間エンパワーメント」・・エンパワーメントによって海外も含めた全社員に当事者意識を持ってもらえるようにしている(p135)
書籍はセミナーよりも安くいつでも読める
経営の教科書を参考とすることのメリットは、経営方針に根拠が明確であることです。星野リゾートの星野佳路氏は、結果がすぐに出ないときに迷わなくなったと言っています。
つまり、経営の教科書に書いてあることは多くの企業の実績に基づくものであり、うまくいかないときに「この戦略が正しいのだろうか」と考えるのではなく「なぜ結果が出ないのだろうか」と考えるようになったというのです。
会社で改革を進めるとき、どうしても現状維持バイアスがかかり、結果がすぐに出ないことが多いので、経営者が右往左往しないためにも指針が書籍として明確になっていることが大事なのでしょう。また書籍はセミナーよりも安く、経営コンサルタントよりもさらに安く、いつでも読めるのが大きなメリットなのです。
最も頼りになったのが経営書だった・・読んで気付いたのは時間当たりの効率は本のほうがセミナーよりもいいこと。しかも本ならば値段がずっと安い(p120)
本が会社を強くする
本が会社を強くするという著者の主張に賛成です。私に言わせると、会社も個人も本が人生を良くするという意味で「教科書人生」を提唱したいと思います。会社でも個人でも課題があれば、その課題に直接的に答えてくれる本を探せばよいのです。そして、会社でも個人でもうまくいっている例を真似てみて、うまくいけば継続すればいいだけの話なのです。
書籍の可能性をうまく説明してくれる本だと思いました。私は自分の人生の経営のために本を読んでいきたいと思います。中沢さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・土屋(哲雄)氏は、毎日午前3時に起床する。起きてからの1時間ほどが読書の時間だ(p39)
・日本交通会長・川鍋一朗・・特に気に入っているのが「稲盛和夫の実学‐経営と会計」(p112)
・三枝匡氏による「ザ・会社改造」・・「三枝氏が直面していた課題はI-neの課題と重なる」と気付き、同書を参考に自社改革に踏み出した(大西洋平)(p174)
・すべての部門について重要目標達成指標(KGI)と中間目標の関係をロジックツリーに落とし込んだKPIツリーをつくったが、役立ったのが中尾隆一氏の「最高の結果を出すKPIマネジメント」だ(大西洋平)(p177)
・人の上に立つには人を踏みつけて立つのではなく、人の支える手に乗って立つのだと、幸之助さんから本を通じて教えられた(エーワン精密創業者・梅原勝彦)(p233)
【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
1章 教科書が成長の礎
2章 教科書で会社を変える
3章 教科書で会社づくり
4章 ずっと教科書とともに
著者経歴
中沢康彦(なかざわ やすひこ)・・・日経ビジネス シニアエディター。1966年新潟市生まれ。慶応大学卒業後、毎日新聞記者を経て日経BP社に入社。日経ビジネス編集部、日経トップリーダー編集部、日本経済新聞社企業報道部などを経て2018年4月から現職。
紹介されている書籍
星野リゾート星野佳路代表『選択の科学』
ワークマン土屋哲雄専務『世界標準の経営理論』
エレコム葉田順治会長『競争の戦略』
ユーグレナ出雲充社長『予測不能の時代』
早稲田大大学院入山章栄教授『プロセスエコノミー』
刀森岡毅代表取締役CEO(アンドリュー・アレンバーグ氏の論文)
日本交通川鍋一朗会長『明日を支配するもの』
中川政七商店中川政七会長『好き嫌いで人事』
スノーピーク山井太会長兼社長『1分間エンパワーメント』
アステナホールディングス岩城慶太郎社長『人間の条件』
一橋大学沼上幹教授『イノベーションのジレンマ』
エコノミクスデザイン『ビジョナリーカンパニー』
I-ne大西洋平社長『ザ・会社改造』
カブクスタイル砂田憲治代表『ブランド・エクイティ戦略』
カスタムジャパン村井基輝社長『ポーター教授「競争の戦略」入門』
グロービス経営大学院堀義人学長『真説「陽明学」入門』
YKK吉田忠裕相談役『コトラー&ケラー&チェルネフ マーケティング・マネジメント』
エーワン精密創業者梅原勝彦氏『私の行き方考え方』
ジャパネットたかた創業者髙田明氏『ザ・ゴール』
神戸大学加護野忠男名誉教授『松下幸之助に学んだ実践経営学』
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