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「「自己責任」を強いられる時代に社会へと踏み出す君たちへ」鳥原隆志

2022/07/05公開 更新
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「「自己責任」を強いられる時代に社会へと踏み出す君たちへ」鳥原隆志


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 インバスケット研究所の社長が、新入社員に行った講義録です。インバスケットとは会社の机の上にある未決の書類置きのこと。そこから名前を取ったインバスケット試験とは、自分が上司の立場となって書類置きに山積みになった業務上の課題を処理していくもので、管理職適応試験のようなものです。


 インバスケット試験は、多くの企業の昇格試験の一部として採用されているため、著者はインバスケット研究所を設立し、社長として、インバスケット試験のコンサルティングをしているのです。そうした業務処理のプロであるインバスケット研究所の社長は、新入社員に対してどのような講義を行ったのでしょうか。


・君たちはお金を稼ぎに会社へ来ている(p12)


 著者が教えるのは、自分の価値を上げるということです。どうやって、自分の価値を上げるかといえば、社内でいえば仕事の中で信頼残高を高めていくのです。信頼残高を高めるためには、「どうやったらできるだろうか」という姿勢を持つことが重要になります。「できない理由を考える」のようでは成果は出ないのです。


 そしてお客様と接するときには、自社の商品を売り込むのではなく、お客様のニーズをつかみ、ニーズにあった提案をすることが大事です。仮にお客様のニーズに自社製品が合わなければ他社の製品をお勧めすればよい。それがお客様のニーズに合った提案であれば、信頼残高は高まります。お客様は別の会社の商品を買うかもしれませんが、信頼残高は上がるのです。


・社会には2種類の達人がいる・・・「できない理由を考える達人」と「できる方法を考える達人」だ(p20)


 私にとっては鳥原社長の教えより、鳥原社長自身の過去の失敗と復活のエピソードのほうが興味深く読めました。


 上司に「お前は必要のない人間だ」と言われて、発奮。「こいつを自分の部下にしてやる」と決心して、それを14年後実現したこと。仕事の改善を提案したら、上司から「言われたことだけやっていればいい」と言われて、あきらめかけたが、阪神淡路大震災をきっかけに考えて仕事をするようになったこと。失敗を隠して、上司の信頼を失ったこと。ミスを連発して落ち込んでいるときに、「お前を悪く思っている人は誰一人いないよ」と言われて男泣きしたこと。


 真剣に仕事をしていると、壁にぶつかるものです。その場をイメージしてしまい涙が出てきました。私もそうした思い出を作れるくらい真剣に仕事をしたいものです。


 鳥原さん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・個人にも信用貯金の口座がある・・・上司や先輩からの依頼や指示をコツコツと確実にこなしていくと、貯金はだんだん貯まっていくんだ(p38)


・単純作業でも「こうすればもっと効率的かも」とか「どうしてこの作業が必要なんだろう」と考えるのは面白い(p77)


・上司をうまく使うんだ・・・。上司も報告を受けた上での失敗であれば、君一人の責任にはしないはずだよ(p127)


▼引用は、この本からです
「「自己責任」を強いられる時代に社会へと踏み出す君たちへ」鳥原隆志
鳥原隆志、WAVE出版


【私の評価】★★★★☆(85点)


目次

第1章 心得ていてほしいこと
第2章 仕事にどう取り組むか
第3章 自分が働く会社を熟知する
第4章 君たちの質問に答えよう
第5章 この先の君たちへ



著者紹介

 鳥原隆志(とりはら たかし)・・・株式会社インバスケット研究所 代表取締役。インバスケット・コンサルタント。大学卒業後、株式会社ダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する食品担当責任者(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に努める。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、自己啓発としてインバスケット・トレーニングを開始。日本で唯一のインバスケット教材開発会社として、株式会社インバスケット研究所を設立し代表取締役に就任。


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