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「元NO.1外資系コンサルタントが教える逆説の思考」菅 正至

2021/10/13公開 更新
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「元NO.1外資系コンサルタントが教える逆説の思考」菅 正至


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

外資系コンサルタントの書いた本ということで構えながら読み進めてみると、思ったより泥臭いなという印象でした。例えば、従業員の多い大企業は組織慣性力が大きいので、急な改革プランは悪影響が大きい。日常業務を少しずつ改善していくことで「あるべき姿」に到達しやすいとしています。


つまり、組織改革などやろうとすれば、足を引っ張られるのが落ちなので、気づかないうちに大きく変わっていたというのがベストということです。大企業にコンサルに入って、よほど苦労したんだろうな、と考えてしまいました。


・組織慣性力の強い企業・・・社員が日々の日常業務において少しずつ工夫を凝らし、「あるべき姿」に向かって徐々に歩み寄ることである(p63)


つまり、ミッションとか組織改革とか旗を振っても、組織を構成する人間の質が最も重要であるということなのです。社員は常に社長を見ているのであって、会社が傾いたときに、労使関係の本質が表面化してくるのです。


どんなに良い施策を打っても、気にいらない上司の足を引っ張ったり、気の合わない同僚は助けないようでは、成果が出るはずがないのです。松下幸之助は「経営は芸術のようなもの」と表現していましたが、厳しくないと緩んでしまうし、ぬるすぎると崩れるのが会社経営なのでしょう。


・社員は常に社長を含む経営陣を見ているのである・・・社員だけがだらしのない会社はない。長期的には社員は社長の顔が映った鏡となると思っている(p51)


与えられた現状を生かしながら目の前の小さい改善をしていくことを推奨しているのが印象的でした。つまり、少しずつ成長していく組織文化を作ることが大事であり、そのために著者は「掃除」「整理整頓」が効くとしています。製造業では5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)が仕事の基本とされていますが、大切だからこそ、行われ続けているのでしょう。


内容はそれほど逆説でもないなと思いました。菅さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・新製品開発の成功はもっと泥臭い個人の執念というべき粘りから生まれてきた(p106)


・自分の置かれた環境などの前提条件をうまく生かせた人が成功している(p44)


・いろいろな人の名刺を集めている人がいるが、人脈と呼ばれる関係になったという話は少ない。むしろ、自分の目の前にいる人を大切にする努力の方が大切であるように思われる(p40)


・若い女性の起業は意外と軌道に乗ることが多い・・・周囲からのサポートを受けることが非常に大切だ(p135)


・ボウリング場の経営者が言っていた言葉である。「うちの競合相手は携帯電話なんですよ」(p169)


・経営者の場合だと、どのような「流れ」に身を置いているかで成功するか、失敗するかが決まることがある(p173)


・負債に対して社長自ら個人保証・・・一度失敗したら再起できないようなシステムが日本はできているのである。ところが、米国では個人が破産しても自宅と車と3万ドルの現金が保持してよいことになっている(p161)


▼引用は、この本からです
「元NO.1外資系コンサルタントが教える逆説の思考」菅 正至


【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

第1章 経営の本質に関する思考と気づき
第2章 経営のメカニズムに関する思考と気づき
第3章 ヒトの心に関する思考と気づき
第4章 マーケティングに関する思考と気づき
第5章 思考が変われば、目の前に広がる世界も変わる!


著者経歴

菅 正至(すが まさし)・・・シーガルコンサルティンググループ 代表。1958年広島県生まれ。1984年慶應義塾大学経済学部卒業。若いころから、企業経営に興味を持ち、経営関連のさまざまな知識を独学で習得。1992年、大手監査法人系の経営コンサルティング会社に就職し、実務経験および経営知識を深める。朝日新和アーンストアンドヤングコンサルティング株式会社国際部マネジャー、日本オリベッティ株式会社経営管理室長、データクラフトジャパン人事本部長等を歴任し、2006年に経営コンサルタントとして独立。日本ナレッジマネジメント学会会員。


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