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「医師が教える薬のトリセツ─ドクターハッシーのわかりやすい健康学」橋本 将吉

2021/10/14公開 更新
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「医師が教える薬のトリセツ─ドクターハッシーのわかりやすい健康学」橋本 将吉


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 現役医師でありながら、医学生向けの塾を運営し、YouTuberドクターハッシーとして病気や治療法の情報発信している橋本さんが、薬の基本ついて説明してくれる一冊です。


 薬には副作用がありますので、ワクチンと同じようにメリットとデメリットを比較してメリットが高いと考えられるときに処方するのが基本となります。問題は、統計的な研究により標準的なガイドラインがありますが、薬の効果は人によって違ってくるということです。


 一定割合で副作用が出てしまうのは避けられないのです。


・薬を使用する時には「メリットとデメリットを比較して、メリットの方が高いと想定される場合に使われるべきである」(p84)


 薬の副作用で、患者が致命的な状況になったり、後遺症が残るような経験をした著者の橋本さんは、「薬を使う時は最後の手段である」であるとしています。薬には効果だけでなく副作用がセットで付いてきますので、ある人には効果的でもある人には毒にもなる、リスクのある治療なのです。


 つまり、簡単に薬を出したがる医師はヤブ医者ということなのでしょう。しかし、現実では薬を欲しがる患者さんがいるのも事実なのです。また、病院経営を考えれば、薬をたくさん出したほうが儲かるという点も考えておくべきなのでしょう。


・「なんでもかんでも薬がほしい!」という患者さん(p94)


 著者が「薬を使う時は最後の手段である」と主張するくらい、薬をどんどん出す医者も、薬がほしい!という患者も多いのでしょう。抗生剤の使いすぎで耐性菌が発生しているのも事実のようです。


 まじめに医療に取り組むと、儲からないという事情もあるのかもしれませんが、こうした本で薬について知見を持った人が増えて、薬が適切に使われるように祈るものです。


 橋本さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・薬の効果は人によって違ってくる(p56)


・薬には必ず「副作用」という悪魔が付きまとう(p60)


・抗生剤が乱用されてしまった結果「多剤耐性菌」と呼ばれる、抗生剤に抵抗のある菌が数多く生み出されてしまっているのです(p141)


・耐性菌は、抗生剤を途中で自己中断してしまった場合に発生しやすくなると言われています(p104)


・コレストロールと同様に中性脂肪の値のコントロールは「食事」と「運動」が効果的です(p136)


・高血圧の治療を考えた時、確かに薬は一見手軽な方法に見えますが、メリットとデメリットのバランスを考えるとやはり「生活習慣の見直し」が大切です(p165)


・「運動」はせずに「遊びや趣味」として考えるようにして、一生続けられるぐらいの楽しいものを見つけましょう(p207)


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▼引用は、この本からです
「医師が教える薬のトリセツ─ドクターハッシーのわかりやすい健康学」橋本 将吉
橋本 将吉、自由国民社


【私の評価】★★★☆☆(78点)



目次

第1章 薬の大原則
第2章 最近わかった、薬の「意外な」新常識
第3章 疾患別の処方薬の解説
第4章 薬以外で病気や症状に勝つ方法
第5章 患者さんの心得


著者経歴

 橋本将吉(はしもと まさよし)・・・東京むさしのクリニック院長(内科・総合診療医)/株式会社リーフェ代表取締役。1986年生まれ。杏林大学医学部医学科卒。大学在学中の2011年に株式会社リーフェを設立。医療の明るい未来のために医学生の教育が重要であるとの信念の元「医学生道場」という医学生に特化した個別指導塾を立ち上げる。現役医師によるマンツーマン指導の学習カリキュラムが好評で、現在では都内に4か所、関西に2か所の校舎を構え、現在も将来の患者さんの笑顔を増やすべく、医学教育に注力している。一方、現役の内科・総合診療医として訪問診療を行っている。 最近は、自らYouTuberとして病気や症状の原因や治療法、健康法やダイエット法などの情報を発信し、一般の方に向けた医学教育を行っている。


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