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「一生懸命: 相撲が教えてくれたこと」貴乃花 光司

2018/02/19公開 更新
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一生懸命: 相撲が教えてくれたこと (ポプラ社ノンフィクション)


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

貴ノ岩を日馬富士関が暴行した問題で、貴乃花親方と日本相撲協会とが対立しています。日本相撲協会は、巡業部長として報告しなかった貴乃花親方を理事解任。貴乃花親方は報告したと証言しており、主張している内容が合いません。そうした状況で、貴乃花親方とはどういう人なのだろうと、手にした一冊です。


この本を読んでわかることは、貴乃花親方は「いじめ」に対しては、決してくじけず、本来の目的にまい進すること。もう一つは、貴乃花親方は事実とちがう報道をされても、本来の目的を念頭に置いて行動することです。


例えば、当時は兄弟子からの嫌がらせが少なからずあったという。度が過ぎた「かわいがり」もあったというのです。くじけそうになることは毎日でしたが、「今に見ていろよ」どんなに苦しくても歯を食いしばり、立ちあがって向かっていったという。最初の体力差はどうしようもありません。ただ、これくらいのことで、「いじめ」と思ったら負けなのが、大相撲の世界なのです。


ここからは私の仮説になりますが、貴乃花親方は日本相撲協会に報告したが、内々にすませるように言われた。それは本来あるべき姿ではないと考えた貴乃花親方は警察に通報した。日本相撲協会は記者クラブを利用して、協会の作った筋書きどおりの情報操作と貴乃花親方のネガティブキャンペーンを開始。事実とちがう報道に対し、貴乃花親方は警察に任せたので、言い訳をしないと決めた。言い訳をしないことをいいことに、日本相撲協会、マスコミはさらに報道攻撃を強化し、協会は貴乃花親方を処分した。


こんなところでしょうか。


・週刊誌には、事実とちがうことを書かれたりもしました・・事実とはちがう記事を目にして、「あいつは人気が出てきてかわった」と、思われた方もいるでしょう。心外ではありますが、そういう部分にわたしが気を取られていると、相撲に集中できなくなります(p85)


この本からわかることは、根回しをよしとしないガチンコの貴乃花親方は、昔から集中的に張り手を受けたりして「いじめ」られていたということです。こうしたガチンコで横綱になったのはすごいことで、そのため現役時代が短いものとなったのでしょう。


大相撲とは、1日のけいこで5キロやせることがあるという。だから、無理してでも食べなければ、体力が落ちてしまう世界なのです。だから横綱になったときには、弟子のことをけっしてほめない師匠(父)から「男になったな」と言われたという。父と子でつかんだ横綱の座なのです。引退時には、右肩胛骨骨折、左手薬指脱臼、左上腕二頭筋損傷など、体はボロボロだったという。


根回しをしないガチンコ貴乃花親方は、相撲と同じようにガチンコで日本相撲協会に勝てるのでしょうか。貴乃花さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・「こいつだけには負けたくない」と、自分以外のだれかを基準にして一喜一憂するのは、心の弱さを物語っています(p71)


・いい相撲を取りきって白星を上げるということは、相手に勝つというよりも、自分自身に勝った証ではないでしょうか(p70)


・高校を中退して入門することを決めました・・わたしが生まれて初めて目にした父の涙。しかし、実にかっこいい姿でした。「いいか、今日で涙は終わりだ。おれが死ぬまで泣くな」(p27)


一生懸命: 相撲が教えてくれたこと (ポプラ社ノンフィクション)
貴乃花 光司
ポプラ社
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


目次

プロローグ 痛みにたえて、最後の優勝
第1章 強い大関の父親にあこがれて
第2章 いざ、大相撲の世界へ
第3章 父を越える横綱の地位へと
第4章 横綱としての孤独な戦い
第5章 引退、そして次の世代のために
おわりに 日本の将来をになうみなさんへ



著者経歴

貴乃花光司(たかのはな こうじ)・・・本名、花田光司。1972年8月12日、東京都杉並区出身。二子山部屋(当時は藤島部屋)に入門当時からその優れた素質が話題となり、数々の最年少記録を打ち立てた。生涯戦歴は、七九四戦二六二敗。幕内優勝二十二回、殊勲賞四回、敢闘賞二回、技能賞三回など第六十五代横綱として数多くの記録を残す。現在は一代年寄・貴乃花として貴乃花部屋の師匠を務め、財団法人日本相撲協会理事および地方場所(大阪)担当部長


大相撲関連書籍

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