「新版「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた角界の闇に斬り込んだ30年間の取材記録」

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新版「週刊ポスト」は大相撲八百長をこう報じてきた 角界の闇に斬り込んだ30年間の取材記録 (小学館101新書)

【私の評価】★★★★☆(81点)


■日馬富士に殴られた貴ノ岩と
 日本相撲協会の改革を目指す貴乃花親方は、
 結果的に角界から追放されました。


 では、貴乃花親方は日本相撲協会の
 何を改革しようとしていたのか。


 貴乃花親方はなぜ
 貴ノ岩が殴られたことを
 許せなかったか。


 そんな思いで
 この本を手にしました。


・角界が抱える問題は八百長ばかりではない。
 数億円ものカネが飛び交う親方株の売買問題、
 一門制度に縛られた閉鎖的や理事選挙、
 財団法人でありながらブラックボックスと
 なっている協会の余剰金の運用・・(p20)


■本書では主に大相撲における
 八百長の実態についての証言が
 整理されています。


 1996年、八百長を告発しようとした
 元・大鳴戸親方は、記者会見の直前、
 その同調者ともいえる橋下成一郎氏と伴に
 同日に同じ病院で同じ病で変死しています。


 2010年には力士の野球賭博事件で
 押収された力士たちの携帯メールに
 星の売買の記録が残っていたことから、
 日本相撲協会も八百長を認めることになりました。


・元・大鳴戸親方、そして親方の手記を裏付ける
 証言をしてきた橋下成一郎氏が同じ日に
 同じ肺炎で同じ病院で突然、逝ってしまった・・
 元・大鳴戸親方は・・・著書
 『八百長~相撲協会一刀両断』(鹿砦社刊)の
 刊行を目前にした矢先の急死だった(p160)


■ガチンコだけでは、
 安定して勝ち続けることは難しいのが
 相撲なのです。


 どうしても勝ちたいときに買うこともあれば、
 勝てそうもない相手に、どうせなら
 受けてもらうこともあるらしいのです。


 なんとなく大相撲の雰囲気が
 伝わってきました。


 元・貴乃花親方も
 本当のことを言えるのは
 死の直前かもしれませんね。


 週刊ポスト編集部さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・協会幹部の大半が八百長相撲の経験者のせいか、
 ガチンコ力士は、引退後も
 要職につけないのです(p134)


・北の湖は、受けるのが好きだったから敵も少なく、
 年寄になってからも協会内の受けがよい。
 一方、大鵬や千代の富士は星を買うことに
 専念して貪欲に優勝回数を重ね過ぎたために
 協会内でも敵が多い。そういうものなのです
 (元・大鳴戸親方)(p135)


・「ガチンコでやれ」とかいわれても、
 注射で地位を買った人間が何をいうか
 ということになる・・・陣幕だけじゃない・・
 出羽海理事長(元横綱・佐田の山)は
 数えるほどだとしても、北の湖、
 時津風(元大関・豊山)、伊勢ケ浜(元大関・清国)、
 高砂、佐渡ヶ嶽(元横綱・琴桜)と皆やっています。
 いや、そもそも注射をせずに上位に上がることは
 むずかしいように思うんです(元・大鳴戸親方)(p118)


・2000年1月21日、元小結・板井圭介氏は
 日本外国特派員協会で講演した・・
 「今場所、八百長をやっている力士をいいます」
 そう前置きして、板井氏は横綱・曙、
 大関・千代大海ら幕内力士18名の
 名前を読み上げた(p13)


・「ガ」はガチンコ、「ハ」は八百長・・・
 中盆とまでいわれていたオレは、立場上、
 幕内の八百長を克明に記録していた。
 千代の富士の"53連勝"の時も全て記録していた・・・
 連勝が途絶えた88年九州場所での
 千代の富士の星取表はこうであった。
 〈ガハハハハハハハハガハハハガハガ〉。
 「ガ」が4つしかない(板井圭介)(p15)


・八百長を暴いた時、協会の関係者から
 "もっとやってほしい"と電話を受けた。
 彼の弟子の千代大海が同じように
 八百長で大関になったことを苦々しく
 思っている人もいるのです(板井圭介)(p17)


・13、14日目ともなると、八百長くさい取組が
 多くなる。千秋楽ともなれば、七勝七敗の力士が
 当然のように勝ち越してしまう。
 こんな有様を見ると、今の八百長を仕組んでいる
 奴は下手だと思うんだ(四季の花)(p24)


・八百長で星勘定を合わせなければならない
 力士がある以上、抜け道はできてくる・・・
 上位者からの頼み、あるいは命令があったからこそ
 俺のような〈中盆〉が生まれたわけだ。
 ガチンコ相撲ばかりじゃ大関、横綱も
 力士寿命が持たないからね(四季の花)(p29)


・「優勝がかかった取組なんかでは多少上がって
 100(万円)くらいになります。
 でもそれ以外では、だいたい70が相場ですね」
 安くなったみたいだね・・
 「輪島とか若乃花(二代目)とかの時は
 本当に高かったらしいですね。
 ここ一番となると400(万円)くらい
 いってた時もあったと聞いてますけど、
 今はそんなことないですね」(上山進)(p102)


・実は協会は、税務対策として税務署の署長をしていた
 人物を協会の事務の責任者にしているのです。
 だから、各部屋への税務調査はないというのが
 親方たちの間では常識(p149)


・【注射】八百長相撲を意味する隠語。
 打てばすぐに効果があるということから、
 勝敗の決まっている相撲のことをいう。
 相撲協会では「無気力相撲」と表現する(p8)


・【中盆】"なかぼん"と読む。
 頼まれないのに気を抜いた片八百長の相撲を
 取ることを「盆中相撲」といっていたが、
 現在では八百長相撲の仲介をする人物を
 「中盆」と呼ぶようになった(p8)


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■目次

序章 平成23年「八百長」をついに認めた相撲協会
第1章 昭和55年元十両・四季の花
第2章 昭和63年双羽黒の付け人
第3章 平成8年元・大鳴戸親方~刑事告訴
第4章 平成8年板井の付け人
第5章 平成9年高見旺~不起訴



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