「「もう、できちゃったの!?」と周囲も驚く! 先まわり仕事術」新井 健一
2018/02/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
要約と感想レビュー
アーサーアンダーセン(現在KPMG)で人事コンサルタントとして学んだ外資の仕事術です。日本の会社の人事部で2年間働いただけで、アーサーアンダーセンのコンサルタントに転職した著者は、衝撃を受けました。自分は知識がない。スケジュール管理できない。文書を書けない。上司と意思疎通できない。「このままだと半年でクビだね」と上司は言い放ったのです。
それから、先輩の仕事を観察し、真似しました。先輩コンサルタントの仕事の特徴は、次のとおりです。暇があれば、知識のインプットに努めていること。資料作りにムダがないこと。次に何をするのか、明確なイメージがあること。その結果、ミーティングにムダがないこと。上司やクライアントをうまくコントロールしていること。今の会社で働くことにこだわっていないということです。
そこで著者は、同じジャンルの本を3冊同時に読み知識を習得するようにしました。上司の指示を復唱し、上司のこだわりに応える仕事をするようにしました。朝は文書作成、午後は作業、夕方は知識のインプットと、時間別にやることを決めました。こうしてやっと一人前のコンサルタントになったのです。
・事前の確認と提案・・・まずは上司の指示を、こちらの言葉で上司に復唱して伝える・・仕事の目的・・仕事の進め方や取り得る手段・・上司のウィル(そうしたいという意思)やこだわり、好みと言う人もいる(p121)
議事録もろくに書けなかった自分の若いときを思い出しました。著者は転職した時、文章ひとつにどうしてそんなにこだわるのか、どうして時間をかけるのか分からなかったし、非効率だとも思ったという。しかしクライアントの了承がない限りは、コンサルの仕事は一歩も前に進まないことを実感し、圧倒的なクオリティの資料を用意することが重要だとわかったのです。
ちなみにコンサル会社の先輩の議事録の特徴は、次のとおりです。特別な単語には、初出で単語そのものの定義や意味を説明していること。指示語や代名詞は、本来の製品や人名などに書き換えること。主語や述語、目的語を補っていること。論理的な文脈にしていること。同じ論点の議論をまとめ、見出しをつけていることです。
外資の場合は、ダメならクビですから、こうして鍛えられるのですね。若い時には、こういう時期も必要なのだと感じました。新井さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「今日集まった目的を確認させてください」・・会社によってミーティングの作法が違う・・役割分担も明確にしておこう。「今日は〇〇が議長、進行は私、そして議事録は〇〇がとってください」(p153)
・クライアントを怒らせるときは事前に上司に相談して、協力を仰ぎ、簡単な役割分担をお願いした。具体的には私が怒らせて、上司がおさめる(p162)
・今に至っても、遅くまで残って残業している社員が、「仕事をしている」と見なされ、出世していくとぼやく人事担当者を私は知っている(p170)
・外資はおおよそ3年単位で人が入れ替わると言われている(p206)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(84点)
目次
序章 なぜ「先まわり」で仕事のスピードと質が上がるのか?
第1章 仕事の全体像を先取りして、最速で成果を上げる「プロフェッショナルの議事録」
第2章 仕事の知識を先回りで身につける「3冊同時読み勉強法」
第3章 上司のむちゃぶりを察知して、ピンチをチャンスに変える「部下力」
第4章 誰が相手でも、望ましい結果を導く「ミーティング術」
第5章 未来を予測し、仕事のムダを減らす「スケジュール術」
第6章 組織に頼らず、どこでも通用する人になる「プロ思考」
著者経歴
新井 健一(あらい けんいち)・・・経営コンサルタント、株式会社アジア・ひと・しくみ研究所代表取締役。1972年生まれ。早稲田大学 政治経済学部政治学科卒業後、大手重機械メーカー、アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現 KPMG /あずさ監査法人)、同ビジネススクール責任者、医療・IT系ベンチャー企業役員を経て独立。大企業向けの経営人事コンサルティングから起業支援までコンサルティング・セミナーを展開。テレビ東京・BSジャパン「人生が変わる人事の話」(毎週金曜日夜11:00)に人事の専門家としてレギュラー出演。
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