「「暴走する」世界の正体 最強論客が読み解く戦争・暴力・革命」宮崎 学、佐藤 優
2017/12/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
■元共産党系活動家と元ロシア外交官の
「革命」についての対談です。
なぜ、この二人の対談なのか
わかりませんでしたが、
権力と戦ったという意味では
同志ではあるのでしょう。
宮崎さんは共産党活動家として
社会主義革命を目指し、
佐藤さんは外交官として
北方領土問題を進めようとした。
・堀江さんはライブドアの株を細分化して国家の通貨発行権に対する挑戦とか老舗メディアを買うとかを自然にやっちゃって、この国を支配する老人たちの怒りを買いました。手を突っ込んではいけないところに手を入れるのは、本質における革命だからですね(p166)
■興味深いところは、
共産党と社会党は革命を目指して
活動していたのであり、
現在もその細胞は現在も活動している
ということでしょう。
そうした革命を目指す組織があるとわかれば、
政党やマスコミや社会活動家の行動も
理解できるようになる。
その一方で、世界は
資本と軍事力による
国益の最大化を目指した
闘いが行われいるのです。
・現代の新帝国主義は、必ずしも植民地を必要とせず、もっと資本と武力に特化しているイメージです・・国家の後押しを受けた企業が資本を輸出し、市場争奪戦をしていくんです(佐藤)(p37)
■本音の見えにくい二人の対談は、
疲れますね。
発言の事実のところを
フォローしてみると
面白いのではないかと
思いました。
佐藤さん、宮崎さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・東洋と西洋では「革命」の意味が違います・・東洋の革命とは、基本的には古代中国の「易姓革命」です(佐藤)(p17)
・現在も綱領で「天皇制のない民主共和国をめざす」と掲げている共産党は、2016年から国会の開会式に出席して天皇陛下の入場に起立して一礼したり、2017年から機関紙「しんぶん赤旗」に元号を併記したりと、かなり変化しています(佐藤)(p21)
・私の60年代後半のイメージでいいますと、国政選挙の得票率で、共産党と社会党のいわゆる社共が15%ぐらい取ったら革命的情勢だというふうに見ていました。実際にはそのくらいの票は取れているのに、別に革命は起こらないんですね・・当時の私にとって革命はそれほど難しい話ではないと考えていました(p142)
・ソ連共産党中央委員会の官僚は日本共産党に対して、「我々が信じていないマルクス・レーニン主義を本気で信奉している」と驚いていました(佐藤)(p43)
・今思えば、理論を勉強したり、他の党派と殴り合ったりしているだけでは、革命なんかいつまでたってもできません・・カストロたちは、手段や理論はさておき、一日でも早く国民を貧困から救おうとしていたのでしょう(宮崎)(p62)
・転向した革命家ということで見ると、最近はあまり知られていないけど、太宰治は東大共産党の「細胞」だったんです・・実家は青森の資産家ですから、女性関係よりも共産党シンパであることは大問題でした・・それでも、なんといいますか、東大細胞の経験を通じて大人になったんだろうと思うんです(宮崎)(p87)
・今は暴対法や暴排条例の影響で、本当に食えない組員が増えています・・今は覚醒剤や危険ドラッグなどの違法薬物の密売とオレオレ詐欺、北海道などの沿岸の密漁が三大シノギと言われていますが、カネが入っても組織に上納したくないんです(宮崎)(p81)
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
目次
第1章 新帝国主義という自覚のない現代日本
第2章 平和なき世界の暴力革命
第3章 「思いつき」で世界を破壊するトランプ
第4章 北朝鮮の崩壊と戦争の可能性を読み解く
第5章 日本人が皮膚感覚としてわからない沖縄問題