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「中国4.0 暴発する中華帝国」エドワード・ルトワック

本のソムリエ 2017/05/23メルマガ登録
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中国4.0 暴発する中華帝国 ((文春新書))


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 アメリカ国家安全保障会議の元メンバーで国防アドバイザーであるルトワックさんの一冊です。戦略的視点から中国への対応について昨年出版されているものです。現在の中国は、軍事力と経済力を持ったことで、多くの国をコントロールできると勘違いしている、と分析しています。


・「金は力なり」という幻想を抱いた中国のリーダーたちは、もし北京が日本政府といざこざを起こしたとしても、腐敗した(つまり中国の金に目がくらんだ)日本の財界は自国の政治家に圧力をかけて中国側の要求に屈するはずだ、と勘違いしていた(p47)


 中国の思惑とは反対に、周辺諸国は中国の圧力に反発し、連携して対抗しようとしています。日本も国防力を強化しており、尖閣諸島への侵攻に対しては傍観することはないでしょう。さらに中国が巨大化すれば、ロシアさえも中国に脅威を感じ、こちら側につく可能性があります。


・中国に睨まれた小国を助けるために、他の大国が同盟を提供し始める・・要するに中国が大きくなればなるほど、それに対抗しようとする同盟も大きくなる(p43)


 誤解する中国には、誤解させないような明確な強い姿勢が必要とのこと。弱い相手は徹底的にイジめ、強い相手には下手に出る。それが国際社会の現実です。ルトワックさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・中国がこのまま成長拡大を続ければ、ロシアはどこかの時点で、自らアメリカや日本の側につく必要に迫られる公算が高い。ロシアは現在、シベリアをコントロールし、中央アジアも支配しているが、いずれ巨大になった中国に脅威を感じるようになる(p147)


・他国の島をとって基地を建設してしまうような中国に対抗するには、島を占拠されても、誰にも相談せずに迅速に奪還できるメカニズムが不可欠である。国家が領土を守るには、そういう覚悟が必要なのだ(p152)


・外務省も、中国を尖閣から追い出すための独自の計画をもたなければならない・・中国軍が、尖閣に突然、上陸したら、即座にEUに入管手続きを変更してもらい、ヨーロッパでの貨物の積み下ろしができないようにし、それを他国でも実行してもらってもよい(p171)


・党の腐敗に対してこれだけの攻撃をしかけようとしている点から見れば、習近平は非常に勇気があるか、もしくは単に軽率であるかのいずれかだ(p70)


・習近平は中国共産党を改革しようとしているのだが、その向かう先には、党の崩壊が待ち受けている・・なぜ崩壊するのか?反腐敗運動が、党を動かす「エンジン」そのものを取り除いてしまう運動でもあるからだ・・共産党の「エンジン」となったのは、マネーであった(p118)


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▼引用は下記の書籍からです。

中国4.0 暴発する中華帝国 ((文春新書))
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エドワード ルトワック
文藝春秋
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【私の評価】★★★★★(90点)



目次

序章 中国1・0―平和的台頭
第1章 中国2・0―対外強硬路線
第2章 中国3・0―選択的攻撃
第3章 なぜ国家は戦略を誤るのか?―G2論の破綻
第4章 独裁者、習近平の真実―パラメータと変数
第5章 中国軍が尖閣に上陸したら?―封じ込め政策
第6章 ルトワック戦略論のキーワード


著者紹介

 エドワード・ルトワック(Edward N.Luttwak)・・・歴史学者。ワシントンD.C.の大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)シニアアドバイザー。1942年、ルーマニア生まれ。イタリア、英国で育つ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、1975年にジョンズ・ホプキンス大学で博士号取得。同年国防省長官府に任用される。国家安全保障会議のメンバーも歴任。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論


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