「自滅する中国」エドワード・ルトワック

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自滅する中国

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■アメリカの戦略家は中国をどう考えるのか
 知りたくなって購入しました。


 中国の歴史、中国人の思考まで
 よく調査していることがわかります。


 実は中国の歴史は、
 そのほとんどは満州、モンゴルに
 支配され続けた歴史となります。


・数や富の上でははるかに勝る漢民族(漢人)も、1912年までの
 300年にわたって満州族に占領されており、その前のモンゴルと
 トルコ系の王朝を含めると、過去千年間おいて
 中国人が支配したのは明朝の200年間だけなのだ(p7)


■中国の歴史からわかることは、
 凶暴な敵に対しては、徹底的に譲歩しながら、
 贈り物によって相手を手なずける。


 民間でいえば、賄賂ですね。


 そして、最後には、こちらの考え方に
 取り込んでしまおうとすること。


・強力で凶暴な外国との対処の仕方・・・「蛮夷操作」・・・
 自給自足していた匈奴たちを、
 漢族が生産した物品に経済的に依存させられるようにする・・
 第二の策は、通常は「教化」・・権威主義的な儒教の価値観と、
 集産主義的な漢族の行動規範を受け入れるよう説き伏せられる(p52)


■そして、GNPが日本を超えるなど
 経済力をつけた中国がどうして
 横暴な態度を見せるようになったのか。


 これは、中国が国内の混乱に手いっぱいで、
 国際的に適切な判断ができていないと
 見ています。(巨大国家の自閉症)


 つまり、なぜあえて中国が周囲に
 敵を作ろうとするのかといえば、
 ちょっと脅せば相手が譲歩するだろうと
 考えているからです。


 中国国内ではそれで通じるのかもしれませんが、
 国際社会でそれをやれば、
 反中国連合ができるのは当然のこと。


・中国は、海上で漁船やパトロール艇、掘削リグにたいする
 脅迫戦術を何度となく仕掛けている・・・このやり方には
 一定の効果があるかもしれないが、危機を煽る過程では
 相手国のエリートのみならず、一般大衆の意識を覚醒し、
 動揺させ、団結させてしまうことも避けられないのだ(p118)


■結論としては、中国は周辺国に尊大な態度を示すことで、
 自ら反中国家を増やしており、
 それが失敗であることさえ理解していないということです。


 中国さんありがとうございます。


 中国さんのおかげで、日本の仲間が増えそうです。


 ルトワックさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・現在の中国の国境線を確定したのは、満州族である・・・
 ところが現在の中国人の認識では、中国の国境線は
 清帝国の最盛時のものになっている・・・
 もしこれが通じるとすれば、インド人はスリランカの領有を
 主張しても良い・・・なぜならインドとスリランカのどちらも、
 英国が支配していたからだ(p131)


・「中国はいつでも賢い手段によって敵の裏をかくことができる」
 と思っている・・・彼らは未開の侵略者たちに何度も繰り返し 
 征服されているのに、こうした信念が現実の中国の歴史から
 全く損なわれなかったのは驚くべきことだ(p107)


・中国では毎日国内のどこかで最高指導者の決断を必要とする
 緊急事態が発生している。それは地震、洪水、民族間抗争による暴動、
 食料価格の突然の高騰のような急激な経済情勢の変化、そして
 国内政治における脅威の発生などだ(p42)


・中国が、数年もしくは数十年にわたって経済・軍事の両方で
 急速な成長を続けた場合、日本が引き続き独立を保っていられるかどうかは、
 反中同盟全体の強さに大きく左右されることになる(p188)


・印象的なのは、中国の指導者たちが自国の軍隊を
 信用していないように見える・・・
 中南海の出入り口には古めかしい湾曲したゲートがあり、・・
 黒い服を着た公安部、緑色の服を着た準軍事的な人民武装警察部、
 そして白の服を着た国家安全部という・・・
 三つの公安機関によって守られている(p45)


自滅する中国
自滅する中国
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エドワード・ルトワック
芙蓉書房出版
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【私の評価】★★★☆☆(73点)




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■目次

第1章〈反発なき強国化〉がまちがっている理由
第2章 時期尚早の自己主張
第3章 「巨大国家の自閉症」を定義する
第4章 中国の行動における歴史の影響
第5章 中国の台頭で生じる地経学的反抗
第6章 中国の強国化とそれにたいする世界の反応
第7章 無視できない歴史の比較
第8章 中国は成功を約束する大戦略を採用できるか?
第9章 戦略における古代の愚かな知恵
第10章 歴史の記録から見える戦略面での能力
第11章 避けられない反発の高まり
第12章 なぜ現在の政策は続いてしまうのか
第13章 オーストラリア ―― 同盟の模索
第14章 日本 ―― 離脱からの離脱
第15章 反抗的なベトナム ―― 新たな米国の同盟国?
第16章 韓国 ―― 天下システムにおける典型的な従属国?
第17章 モンゴル ―― 反中同盟の最北の前哨基地?
第18章 インドネシア ―― 排斥主義から同盟へ
第19章 フィリピン ――「敵」に回してしまう中国
第20章 ノルウェー ―― ノルウェーはありえない!
第21章 アメリカの三つの対中政策
第22章 結論と予測


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