「まちゼミ さあ、商いを楽しもう!」松井洋一郎
2017/05/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
まちゼミとは、リアル店舗で開く無料のセミナーです。それを商店街全体で「まちゼミ」としてPRしているのです。たとえば、文房具店なら「初心者向け万年筆入門」のセミナーを開催して、見込み客を集めるのです。
実は事業者にとってはごく当たり前のことなのに、それをほんの少し披露しただけで喜ばれるのです。さらに受講者が喜んでいる姿を見て自分もうれしくなるのです。例えば、まちゼミで開催した料理教室をきっかけに、その後も独自に有料の料理教室を開いている飲食店もたくさんあるのだという。
興味深いところは、セミナーの人数を7人以下と少なくしているところです。少ない人数でやることで、一人ひとりと密接に関わることができ、親密になれるのです。セミナーは無料で売り込みもないので、良い関係を構築できるのです。
・まちゼミでは定員を3人から7人程度を推奨しています(p28)
さらにおもしろいのは、講師の話は全体の3分の1程度にして、残りの3分の2を受講者からの質問や意見交換の時間にしていることです。受講者どうしが交流する時間を作ることで、受講者に心から喜んでもらえるというのです。
そして店の外から講座の様子が見えるようにすると、通りすがりの人へのPRになります。データでは、再来店率は20%から25%ほどにも上るという。最もすごいのは岡崎市のウォーキング専門店「足軽屋」ではなんと60%を超えているという。
実際にセミナーをやってみることで、「集客できる講座」は残しつつ、そこから冒険して少しだけ変えた講座に挑戦することで、どんどん再来店率の高い講座が見つかるのです。少数セミナーは効率が悪いように見えますが、逆に効率が良いのかもしれません。松井さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・集中すべきは、あなた自身がやりたいことです。目指すべきは、受講者に心から喜んでもらうことです・・ワクワク、ドキドキすることをやってみましょう(p141)
・便利なのが裏講座です。チラシでは公表しない日程を予定しておいて、チラシ配布前や受付日前に予約したいという人が現れたらその日程で対応するのです(p154)
・データでは、受講率、満足度、さらにDMを出したか、ポスティングを行ったか、クーポンなどでフォローしたかなども各店ごとに集計されています(p245)
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
プロローグ お客様、店、地域が良くなる"三方よし"の実践
第1章 まちゼミを知る
第2章 まちゼミを実践する 運営成功編
第3章 まちゼミを実践する 個店繁盛編
第4章 まちゼミを発展させる、まちゼミで発展する
エピローグ まちゼミ魂を胸に秘める仲間とともに
著者経歴
松井洋一郎(まつい よういちろう)・・・岡崎まちゼミの会代表。(株)みどりや専務取締役。1968年愛知県岡崎市生まれ。(株)みどりや専務取締役。専門学校卒業後、OA機器販売会社勤務を経て、家業である化粧品専門店(株)みどりや入社。岡崎まちゼミの会代表、(株)まちづくり岡崎代表取締役として、まちゼミを中心に岡崎にてさまざまなまちづくり施策に取り組む。また内閣府地域活性化伝導師、経済産業省タウンプロデューサーとして全国各地の中心市街地・商店街の活性化に関わっている
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