【書評】「質問する力」大前 研一
2016/12/14公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
質問から事実が見えてくる
「質問する力」とは、真実をつかむ力です。自分は今、どこにいるのか。今の課題は何か。どうすればいいのか。正しい現状認識があれば、正しい課題認識となり、正しい解決方法が見えてくるのです。
例えば、「なぜ光秀は、信長を殺そうと思ったのか?」と質問してみれば、その問いに答えるために調べることになり、真実に近づくことができるのです。
私であればたとえば「あの時点でアメリカと戦争するとしたら、どうやったら勝てただろう」と質問してみます・・そして勝てそうもなかったら、「勝てない戦争だから、すべきではなかった」と結論します(p234)
質問から現実が見えてくる
そういえば、賭博の世界では周りを見てだれがカモかわからなければ、自分がカモである、という法則があるらしい。周りが見えていないと、自分がカモにされてしまうのです。世の中とはそんなものだと思います。
大前さんに言わせると、銀行には政府が公的資金を入れて、その金を原資にしてゼネコンの債権を放棄させているという。銀行は国が助け、ゼネコンは国が助けている。なぜローンに苦しむ国民は知らないうちに、銀行とゼネコンの借金を払わされているのです。
なぜ『ゆとり返済』などというローンを創ったのか・・政府の狙いは、これ以上土地の価格が下がる前に業界と銀行に在庫を処分させて、彼らを救うことにある(p26)
質問から自分が見えてくる
質問する力とは、なにごとにも、自分が本質を理解しているのか疑問を持ちながら、自分の頭で考えチェックすることだと思いました。質問することで、その疑問に対して頭と体が動き出すのです。
やや古い本なので事例も古いのですが、本質突きまくりで大前さんらしい一冊でした。大前さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・なぜ必要もないダムが計画され、建設されるのでしょうか。・・地方自治体は政府に陳情にきて、予算をつけてもらう。ついた予算はもう自分たちのものだと思って、返さないでいいように、余らせずにみんな使ってしまう。(p155)
・本来、国会は外交、憲法、防衛や防災を含む安全保障、通貨の発行と流通など、天下国家を論ずべき場所です。・・それ以外の行政問題は地方に任せるべきです(p168)
・トレードオフとわかったうえで、エネルギーは住民が選択する・・原発がいらないというのなら、地域の住民が相談して、自分たちの使う電力は原子力でない発電方法で賄うと決めればいいのです。その場合、おそらく発電コストは割高になって・・(p125)
【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 地価の下落は予想できた
第2章 1985年から世界は変わった
第3章 シンガポールの奇跡
第4章 質問せよ、さらば開かれん
第5章 「質問する力」を育てる
第6章 説明する力
第7章 解答を考える
著者経歴
大前 研一(おおまえ けんいち)・・・早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長。趣味はスキューバダイビング、ジェットスキー、オフロードバイク、スノーモービル、クラリネット。ジャネット夫人との間に二男。
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