「給料戦争」竹内 謙礼 青木 寿幸
2016/10/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
給料を上げたい男と女が、大東亜戦争からタイムスリップした日本兵と出世を目指すストーリーです。同い年のライバルが出世していく中で、上司に反発していた主人公が、日本兵との出会いで変わっていきます。
日本兵は古い日本人ですから、義理人情、人間関係を重視します。ところが最近の若い者は、優秀かもしれませんが優秀な人ほど、人間関係を軽視してしまう傾向があるのでしょう。
・上司が同い年、いや年下であったとしても、そんなことは関係ありません。態度が横柄だったり、叱られる内容が理不尽であったとしても、良い人間関係を作ろうという姿勢を持たなくてはいけないのです(p245)
仕事で成果を出てきた主人公は、手堅い転職を決め、そこで成果を残し、子会社に転籍して社長となります。社長として、ゆがんだ給与体系と評価基準を改正します。それは一つの挑戦です。しかし、命をかけて敵と戦ってきた日本兵にすれば、仕事では失敗しても死にません。それなら挑戦するべきというのが日本兵の教えなのです。
主人公は個人、チーム、会社の利益に応じて給与を決めることにしました。ありえないような設定ですが、失敗しても死なないのですから、挑戦あるのみです。失敗したら元に戻すか、変えればよいのです。
・失敗しても死なない、こんな羨ましい仕事でチャレンジしなかったら、戦場で死んでいった仲間たちに、申し訳ないです(p110)
日本兵がタイムスリップするアイデアは面白いと思いました。最初、給料の話になったところでずっこけましたが、後半は楽しめます。竹内さん、青木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・落ちこぼれの兵士が出ないように、厳しい目で管理しなくてはいけないのです。結局、1人の兵士のせいで、組織の力が発揮できず、壊滅したりするんです(p93)
・陸軍大学校を出た軍人は、頭は良かったかもしれませんが、戦場に出たことがないので、現場に即した戦略を立てることができませんでした(p117)
・成功報酬型で営業マンを集めたいというクライアントが増えている・・『どうせ使える奴なんて、10人に1人ぐらいしかいない』と割り切って募集(p215)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 基本給は25万円なのに、手取り額が20万円ちょっとになる理由
―税金と社会保険料はどういう計算で差し引かれるのか
第2章 サラリーマンが、給料を上げるために絶対やるべき5つのこと
―会社に必要な人材であるとアピールしなければ、給料は上がらない
第3章 会社の業績を回復させるためには、人件費の削減も必要
―社員のモチベーションが下がらないリストラの方法
第4章 転職する95%の人が失敗してしまう理由
―転職に成功して、キャリアアップするためのコツ
第5章 買収した子会社への転籍は、栄転か?左遷か?
―転籍と出向、そのメリットとデメリットを冷静に分析する
第6章 社員が自分の給料の決定プロセスを知らない会社は儲からない
―社員が納得できる人事の評価基準を導入する
著者経歴
青木 寿幸(あおき・としゆき).・・・公認会計士・税理士・行政書士。日本中央税理士法人代表社員、株式会社日本中央会計事務所代表取締役。大学在学中に公認会計士2次試験に合格。卒業後、アーサー・アンダーセン会計事務所。その後、モルガン・スタンレー証券会社、本郷会計事務所で、M&Aのアドバイザリー、不動産の流動化、節税対策の提案などを行う。平成14年1月に独立し、株式会社日本中央会計事務所と日本中央税理士法人を設立して代表。
竹内 謙礼(たけうち けんれい)・・・経営コンサルタント。(有)いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て、観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わる。楽天市場に出展し、3年目に年商1億円を達成。2年連続で楽天市場の「ベスト店長賞」を受賞。「タケウチ商売繁盛研究会」主宰。
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