「戦略課長」竹内 謙礼、青木 寿幸
2018/07/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
■会社から新規事業を立ち上げるよう
指令された女性課長が
ロボット取締役とカバン事業を
立ち上げるストーリーです。
事業の戦略と計画立案から
『正味現在価値』の計算の考え方、
そして資金調達までざっくり
起業の雰囲気を味わえます。
なんでロボットなの?
といういい加減さが難しい理論を
分かりやすくしているのでしょう。
・事業計画を作るときには、すべての可能性を検討しなくてはいけない・・予算という制約だけで、その選択肢を潰してしまうのは、おかしな話だ(p46)
■面白いところでは、
脱線して不動産投資や株式投資など
投資一般にも話が飛ぶところ。
株式にしろ不動産にしろ
世の中そんなに美味しい話は
ころがっていません。
そうした中でいかに
利益を上げていくかという世界ですから
プロになれるレベルで勉強し、
行動する必要があることがわかります。
・不動産投資には、株と比べて、ひとつだけ大きなメリットがあるんだ・・・自分の努力で、不動産の価格自体を上げることができるってことだ・・外壁を塗り直して、キッチンやトイレを入れ替えるだけでも、全然、違う(p320)
■事業投資についての
基本が楽しみながら学べる
よいビジネス小説だと思いました。
こうした本なら
多くの人が手にしてくれ
投資の基本を知ってくれそうです。
竹内さん、青木さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・広告は出してから効果があるまで、絶対に3ヶ月以上はかかるもんなんだ。1年目から5000個を売るためには、知名度もない革カバンのお店が、オープン初日から365日、2万円の革カバンを1日平均14個も売らなければいけない。この話のどこが現実的なんだ?(p84)
・他の新規事業がどのくらいの収益率になるのかは、わからないはずだ。だから、ここでは、革カバンの競合会社の収益率を使って、割り引くことになる(p80)
・10%で、『正味現在価値』を計算しました・・もしかして、株主が、革カバンの事業に期待するリターンは10%ですか?(p244)
・ポートフォリオによって、株の組み合わせを増やしても、削減することができないリスクを、『市場リスク』と呼ぶんだ・・・個別の株の市場リスクが分かれば、それに比例する"投資家が期待するリターン"も計算できることになる(p218)
・まずは、上場したいという『こころざし』を強く持つことが重要だ・・それで、次に、新会社が上場するための具体的な数値目標を設定・・(p258)
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【私の評価】★★★★★(90点)
著者経歴
青木 寿幸(あおき・としゆき).・・・公認会計士・税理士・行政書士。日本中央税理士法人代表社員、株式会社日本中央会計事務所代表取締役。大学在学中に公認会計士2次試験に合格。卒業後、アーサー・アンダーセン会計事務所。その後、モルガン・スタンレー証券会社、本郷会計事務所で、M&Aのアドバイザリー、不動産の流動化、節税対策の提案などを行う。平成14年1月に独立し、株式会社日本中央会計事務所と日本中央税理士法人を設立して代表。
竹内 謙礼(たけうち けんれい)・・・経営コンサルタント。(有)いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て、観光牧場「成田ゆめ牧場」の企画広報に携わる。楽天市場に出展し、3年目に年商1億円を達成。2年連続で楽天市場の「ベスト店長賞」を受賞。「タケウチ商売繁盛研究会」主宰。