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「「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本」マックス・フォン・シュラー

2018/07/11公開 更新
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「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本 (WAC BUNKO 251)


【私の評価】★★★☆☆(76点)


要約と感想レビュー

アメリカは白馬の王子様ではなく、単純で自己中心的な国であることを日本は忘れてはならないと指摘する一冊です。アメリカは自国の国益が第一であって、日本人の幸福を考えているわけではありません。


アメリカ人はインディアンの女子供まで虐殺しています。征服した民族を絶滅しなければ、子供が成長したら敵対する戦士になる可能性があるので、敵兵だけでなく、町に住む人たちも一緒に殺すのです。また、アメリカはフィリピンをスペインに代わって植民地とし、フィリピン独立派とアメリカ軍とは十年にわたって戦い続けフィリピンの民間人20万から150万人がアメリカに殺されているのです。


日本人が静かに説明しているときでも、アメリカ人、中国人、韓国人は、いいかげんなことをどうどうと大きな声でまくしたてます。嘘でも偽造でも、勝ったものが勝つのです。黙って謝れば許されるなどと考えている日本人は、お人好しでしかないということです。


・日本人に言いたいのは、なんでもすぐに謝らないほうがいいということ。アメリカ人や中国人のように、「私は悪くない」という態度を貫くことが大事です。そしてアメリカのパートナーとして、アメリカの傲慢な考え方を改めさせるよう、上手に導いてほしい。(p213)


そもそも日本人は、印象操作が下手くそらしいのです。太平洋戦争当時も、中国や左翼活動家のプロパガンダにアメリカ人はころっと騙されています。戦時に日本は悪魔化され、現在も日本を敵と感じているアメリカ人は少なくないのです。原爆や爆撃で数百万人の民間人を虐殺したアメリカにとっては、極悪の日本を打ち倒し、素晴らしい民主主義を教えたというストーリーが必要だったのです。


例えば、宣戦布告せずに戦端を開いたとして、アメリカ人は「パールハーバーを忘れるな」と非難しますが、アメリカが2003年にイラクを攻撃したときも宣戦布告をしていないのです。また、第二次世界大戦直後に作られた『なぜ戦うのか』というプロパガンダ映画では上海空襲後の写真を写し「日本軍が女性と子どもを殺した」と語って日本を非難していますが、アメリカが日本の都市を空襲して約150万人の非戦闘員を殺したことを写すことはないのです。


・『なぜ戦うのか』というアメリカのプロパガンダ映画がある。そこでは中国人を「平和な国民」として描き、「中国は他国を侵略したことがない」と紹介されている・・・グーグルで検索しただけでも中国がベトナムを22回も侵略していることがわかる・・(p86)


韓国人活動家のなかには、慰安婦問題はユダヤ人へのホロコーストと同じだと主張する人がいます。しかし、ユダヤ人の絶滅を目的にしたホロコーストは、従軍慰安婦問題と次元の違う事件であり、ホロコーストを韓国人の利益のために利用しているだけなのです。


こうした他国がプロパガンダに力を入れるなかで、対抗策として日本の正しいプロパガンダが 大事なのだと思いました。相手は、嘘でも何でも真実のごとく大量の資金と多くの活動家を動かして工作活動してます。戦争が軍事力のバランスが崩れたときに起きるように、プロパガンダのバランスが崩れた時に戦争が起きるのでしょう。シュラーさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・心のなかで日本と戦争中であるかのような気持ちを持っているアメリカ人は多く存在する・・「日本は戦争で酷いことをしてきたが、戦後アメリカの教育で正しい民主主義国家になったのだ」(p5)


・アメリカ人宣教師を通して中国のアピールが1910年代くらいから行われた・・・アメリカ人は単純である。「そのうち、中国はキリスト教国に改宗するに違いない。アメリカに従順で、アメリカの望みを実現してくれる」と信じ、中国に好意を持った・・・一方で、日本は中国のような「いいイメージ」ができていない(p78)


・フランクリン・ルーズヴェルトは民族に対する偏見があり・・・「人種間の差異を重視し、人種交配によって文明が発達する」などと語り、「インド系やユーラシア系とアジア人種、欧州人とアジア人種を交配させるべきだ。だが日本人は除外する」・・日本に対しては特に偏見に満ちた考え方を持っていたと言われるが、中国には親近感を持っていたようだ(p89)


・「アジア人は白人の言うとおりにすればいい」とスティムソンは考えていた。ところが、日本人は同じアジアの有色人種でありながら・・・日本は独立国であり、強い軍隊を持っていてアメリカの言うことを聞かない。これがスティムソンは気に入らなかった・・・スティムソンはアメリカのエリート層に日本の悪印象を植えつける努力も怠らなかった。この人こそ、アメリカ人を対日戦争へ向かわせた「立役者」と言っていいかもしれない(p91)


・硫黄島でも沖縄でもそうだけれど、アメリカ兵が相当死んでいる。日本が本土決戦をしていたら、アメリカの軍人はもっと死んだろう。アメリカにそこまで挑戦した国はない。いまでも「真珠湾を忘れるな」と言うのは、日本を怖がっている表れだと私は思う(p133)


・アメリカ人は日本の文化と歴史を恐れている・・なぜか。自分の国の歴史が浅いからだ(p135)


「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本 (WAC BUNKO 251)
マックス・フォン・シュラー
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【私の評価】★★★☆☆(76点)


目次

第1章 アメリカ人は本当に独り善がり
第2章 仕掛けられた「日米戦争」
第3章 無知で傲慢で残虐な国
第4章 アメリカ軍にとって「不都合な真実」
第5章 二十一世紀、アメリカの深刻な「病理」
第6章 安倍首相とトランプ大統領が新しい日米関係を築く!



著者経歴

マックス・フォン・シュラー(Max von Schuler)・・・歴史研究家。1956年、アメリカ生まれ。父はドイツ系、母はスウェーデン系のアメリカ人。1974年、岩国基地に米軍海兵隊として来日。退役後、国際基督教大学で政治学を学ぶ。俳優、コメンテーターとしても日本で活動。「日出処から」代表講師。2013年4月、全米で初めて慰安婦像を建立しようとしていたカリフォルニア州グレンデール市の市長と市議に宛てて異議を唱えた手紙は動画にもなり多くの人に支持された。


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