究極の勉強法「受験のシンデレラ」和田 秀樹
2016/09/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(96点)
要約と感想レビュー
この小説の中で主人公は、進学校から東京大学理科三類に入学し、医師国家試験に合格します。ところが主人公は医師にならず、貧乏生徒を東大に入れる塾を起業し、大金持ちになりました。著者は主人公が自分と似た人生を歩むような設定としているのでしょう。
ところが、塾の上場を目の前にし、高級車に乗り、高級レストランで高級ワインを飲む生活の中で、主人公はがんと診断されてしまいます。がんを宣告された主人公は、自分の人生で何を目指していたのか、わからなくなってしまったのです。というよりも、本当は自分は人生の中で何を求めていたのか、わかっていないことに気づいたのです。
・今は金儲けが目的化していた。よくよく考えたら、その金を何に使うか決めていなかった(p74)
そうした中で主人公は偶然、高校中退の少女と出会います。東大出身の医師から見れば、こんな少女はポンコツです。でも、こうしたポンコツ少女を東大に入れるのが、自分の生き甲斐だったのではないか?がん宣告で落ち込んでいた主人公は、気持ちが前向きになっていく自分に気づいたのです。
・そうだ!ポンコツの子供たちを再生してやるのが、俺の仕事だったじゃないか?高校中退のエンコー少女なら相手にとって不足なしだ(p88)
小説の形で勉強法を教える本としては、圧倒的効率的な勉強法を面白く伝えています。首都圏での高収入者の生活を想像させる「なんとなくクリスタル」風の表現も面白い。東大理三から精神科医となった著者だからこそ書ける本だと思いました。和田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・五十嵐は何冊か問題集を出した。・・「教科書は?」「そんなものは無意味だ。教科書を読んで、簡単にわかるようだと教師の面目が立たないから、わざと教師の話を聞かないとわからないように作ってある。だから、解説は不親切・・(p101)
・おそらくお前がこれからする勉強時間は、2000時間というところだろう・・東大に入れば、平均でも生涯年収は5億円とされている・・4億円を2000時間で割ると?・・要するに受験勉強というのは時給20万円の高額バイトなんだ(p103)
・自分で解こうとするからバカだと言っているんだ・・そのときは答えを見ろ(p118)
・受験勉強というのは、やった時間よりやった量がものをいう。3時間勉強して3問しか進まなければ、1時間勉強して5問進む人間に勝てない(p122)
・どうしてこんなにわかりやすい参考書や問題集がいっぱい出ているのに、誰も教えてくれなかったんだろう?(p127)
・一つ一つの参考書が終わったら、このペンで消していけ。これを全部埋めることができれば、東大合格だ・・(p145)
・睡眠不足は受験の大敵。12時までには寝て、7時間睡眠を確保せよ(p194)
・最近のデータを見る限り、もっと深刻なのは国語力の低下だ・・読み書きのできない人のいない国というのは、日本では幻想になりつつある(p133)
【私の評価】★★★★★(96点)
著者経歴
和田秀樹(わだ ひでき)・・・1960年大阪府生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、東京大学付属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門とする
読んでいただきありがとうございました!
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