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「組織の掟」佐藤 優

2016/05/23公開 更新
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組織の掟 (新潮新書)


【私の評価】★★★★☆(85点)


要約と感想レビュー

 ノンキャリアとして外務省に入り、17年間仕事をした佐藤さんが教える外務省の組織の掟です。どこの組織でも同じだと思いますが、上司を支えるのが部下の仕事。そこを履き違えると、組織で上に行くことはできません。


・外務省において上司は絶対だ。「第一条、上司は絶対に正しい。部下は上司に絶対に服従すべし 第二条、上司が間違えている場合も、部下は上司に絶対に服従すべし(p31)


 組織で仕事をしていると、時々、ヤバイ仕事がやってきます。それは、取扱いを間違えると大きな責任問題になる可能性のあるもの。役人でいえば、政治家からの政治的な依頼のようなもの。メーカーでいえば、燃費データの計算でしょうか。


 一番いいのは当事者にならないこと。それが、だめならば、上司に相談する。そしてリスクを説明して、組織として断るように仕向けるのです。


・危機を乗り切る知恵・・「面倒ごとからは逃げる」「上を巻き込んで自分では判断しない」「問題点やリスクを提示して断らせるよう仕向ける」(p166)


 これだけわかっている佐藤さんでも、組織から追い出されました。組織とは怖いものですが、人を育て、大きな仕事をするのも組織です。佐藤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・どの組織でも10年くらいそこで一生懸命に仕事をすると、一人前になる。それまでは、どんなに嫌なことがあっても歯を食いしばって頑張ったほうがいいと思う。(吉岡吉典参議院議員)(p26)


・社内の付き合いを疎かにしない・・「あいつは人付き合いの悪い変わり者だ」とか「人間嫌いだ」という評判を立てられないようにすることが重要である(p135)


・とんでもない責任が降りかかってくるヤバい話については、「聞かないでおく」というのが強力な防御法だ。(p162)


・小さなチームを運営する際のコツ・・能力の低い人間や、性格に欠陥がある人間をチームに絶対に加えないことだ・・トラブルを引き起こす可能性のある人を予め排除することだ(p110)


・男の外務官僚には、20人に1人くらい、極度に性欲の強い人がいる。・・こういう輩が餌食にするのは研修生か、20代後半の庶務の職員だ(p149)


・モスクワの日本大使が、北方領土交渉に消極的である場合、仮にクレムリンが対日関係の改善についてのシグナルを送っても、大使が鈍感なふりをして、情報を握りつぶすことがある(p22)


・在外勤務だと、本俸と別に在外手当という第2給与がつく・・モスクワの日本大使館ならば、20代後半で月60万円の家賃の住宅に住み、年に手取りで1000万円近い収入がある。こうして「俺(私)は特別に優秀なのだ」という特権意識が生まれてくる(p101)


組織の掟 (新潮新書)
組織の掟 (新潮新書)
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佐藤 優
新潮社
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【私の評価】★★★★☆(85点)



著者経歴

 佐藤 優(さとう まさる)・・・1960年生まれ。日本の作家。学位は神学修士(同志社大学・1985年)。同志社大学神学部客員教授、静岡文化芸術大学招聘客員教授。在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。
2002年に鈴木宗男事件に絡む背任容疑で逮捕される。2005年に執行猶予付き有罪判決(懲役2年6か月、執行猶予4年)を受け東京高等裁判所、最高裁判所は上告を棄却し、判決が確定した。


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■目次

第1章 組織の活用術 組織は自分を引き上げてくれる
第2章 組織の従属術 上司には決して逆らうな
第3章 組織の分析術 人材には適した場所がある
第4章 組織の管理術 デキる部下を見極めよ
第5章 組織の防衛術 問題人物からは遠ざかる
第6章 組織の処世術 人間関係はキレイに泳げ
第7章 組織の戦闘術 ヤバイ仕事からうまく逃げろ
第8章 組織の外交術 斜め上の応援団を作れ

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