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「新・100年予測―ヨーロッパ炎上」ジョージ・フリードマン

2015/11/10本のソムリエ メルマガ登録
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新・100年予測――ヨーロッパ炎上


【私の評価】★★★★☆(85点)


内容と感想

■今年、出版されたフリードマンの
 ヨーロッパの未来予測です。


 まず、大事なのは、
 ヨーロッパの歴史認識でしょう。


 20世紀当初、ヨーロッパの人たちは
 世界を征服し、相互に交易し、
 繁栄と平和が続くと考えられていました。


 しかし、1914年から1945年の間に、
 ヨーロッパでは戦争、粛清などにより
 1億人もの人間が亡くなり、帝国は消滅しました。


 ヨーロッパの人々の記憶の奥底には、
 深い憎しみと悲しみがあるのです。


・ノーベル平和賞を受けた著名な作家、ノーマン・エンジェルは、よく知られている1909年の著書『大いなる幻想』の中で、ヨーロッパ諸国間での戦争はもはや不可能になったと主張している。投資、貿易などの面で相互依存が進みすぎており、戦争をしたくてもできないと言ったのだ(p114)


■そして、現在のヨーロッパは、
 経済的にはEUで、
 軍事的にはNATOで
 統合されています。


 しかし、経済的には
 ギリシャなどの債務危機により
 経済政策について対立が表面化しています。


 また、軍事的には
 グルジアをNATOが守らないことで、
 NATOへの信頼が崩壊した。


 中小国家の合衆国としての
 EUを維持できるのか、
 現実は非常に厳しいのです。


・ジョージアを誰も助けなかったことで、事実が明らかになった。EUが経済面を、NATOが安全保障を担当するという、ヨーロッパ統合の基本前提が崩れた・・これが、2014年のウクライナ危機へとつながる(p202)


■そして、現在も紛争の火種は多く、
 実際に紛争が発生してます。


 それはバルカン半島であり、
 コーカサス地方(グルジア周辺)であり、
 ウクライナなのです。


 フリードマンさんの予想では、
 ヨーロッパは経済的に衰退し、
 トルコが台頭してきます。


 トルコに注目していきましょう。


 フリードマンさん、
 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ルクセンブルクにはかつて、街を囲む要塞があったが、フランスとドイツ諸国の間の外交交渉の末、1860年代には取り壊されることになった・・・19世紀のルクセンブルク人は、要塞はもはや不要だと本当に信じていたのだろうが、それが誤りだったのは明らかだ。問題は、現在も同じように信じられているということだ(p315)


・ウクライナにとって重要な港湾都市がオデッサだが、ここは、かつてロシアが黒海や地中海へ出て行くために利用した場所だ。・・ロシアは現在、オデッサへの自らの影響力を高めるべく動いている(p276)


・ロシアはドイツへの交通路を必要としていた。・・パイプラインの通る第三国はどれも、輸送を遮断することが可能だ・・そういう理由から、ロシアには、ベラルーシやウクライナをある程度、思いどおりに動かせる状態にしておく必要があった(p282)


・ボスポラス海峡、マルマラ海、ダーダネルス海峡は、古くは18世紀からロシア人が固執してきた場所である・・ロシアの海軍が地中海に出る上で最後の障壁となっていたのだ・・アメリカの戦略の根幹は、ソ連の封じ込めだった。中でも重要なのは、トルコとギリシャが絶対にソ連の支配下に入らないようにすることだ(p379)


・これからはEU内で北と南の亀裂がますます深くなる恐れがある・・一般の民衆の中にもEUに疑いを抱く程度の人もいれば、あからさまにEUにを敵視する人もいるだろう・・経済状況が悪化すると、イスラム教徒の移民たちが事態を大きく動かすきっかけになりやすい(p356)


・アジアとアラブ世界、ヨーロッパが出会う東では、今も絶えず緊張があり、実際に戦争している場所や、すぐにも戦争が起きそうな場所がある。クルド人居住区、アルメニア、イラク、アゼルバイジャン、シリアなどがすべてトルコに隣接しているのだ(p371)


▼引用は下記の書籍からです。

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【私の評価】★★★★☆(85点)



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目次

1 ヨーロッパ例外主義
第1章 ヨーロッパ人の生活
第2章 世界を席巻するヨーロッパ
第3章 ヨーロッパの分裂
2 三一年間
第4章 大虐殺
第5章 疲弊
第6章 アメリカが始めたヨーロッパの統合
第7章 危機と分裂
3 紛争の火種
第8章 マーストリヒトの戦い
第9章 ドイツ問題の再燃
第10章 ロシアとヨーロッパ大陸
第11章 ロシアと境界地帯
第12章 フランス、ドイツとその境界地帯
第13章 イスラムとドイツに挟まれた地中海ヨーロッパ
第14章 ヨーロッパの縁のトルコ
第15章 イギリス
第16章 終わりに


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