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「100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図」ジョージ フリードマン

(2015年10月 9日)|本のソムリエ メルマガ登録
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100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図


【私の評価】★★★★☆(85点)


■チェスや将棋は
 それなりのレベル同士であれば
 選択肢はごく限られたものになります。


 フリードマンさんは、
 国家の選択肢も同じように
 ごく限られたものになる、
 としています。


 そうした国家の置かれた位置、
 経済、国民性を分析するのが地政学であり、
 そこから未来が見えてくるのです。


・ロシアは軍事力を回復しなくてはならない。金持ちで弱いというのは、国家として非常にまずい状態だ。・・富を守り、自らを取り巻く国際環境を規定するだけの力を持たなくてはならない(p161)


■フリードマンさんの予測する未来は、
 2010年代の中国分裂と
 2020年代のロシアの崩壊です。


 中国は、
 経済が不調となった段階で、
 政府が弱体化し、分裂する。


 また、ロシアも米国と
 冷戦に近い状態となり、
 ソ連崩壊と同じ道をたどる。


 そうした情勢の中で、
 勢力を伸ばしてくるのが、
 日本とトルコというのです。


 そして、2040年代には
 米国の同盟国として勢力を伸ばした
 日本とトルコがアメリカと対立する
 ようになります。


・2020年代のロシアの崩壊と中国の分裂・・その機会を利用して、勢力を伸ばしていくのが、アメリカと同盟を組んだ、日本、トルコ、ポーランドである(p232)


■本当にそうなるのでしょうか?


 2009年出版された本ですが、
 中国の経済の後退と治安の混乱、
 ロシアとのウクライナでの戦いは
 予想どおりとなっています。


 フリードマンさん、
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


中国は本質的に不安定なのだ。外の世界に対して国境を開放するたびに、沿岸部は豊かになるが、内陸部に住む大半の国民は貧困のままに置かれる。このことが緊張、対立、そして不安定をもたらす(p17)


・アメリカは戦争の申し子であり、今なお加速するペースで戦い続けている・・アメリカの戦略目標および基本戦略の根源をなしているのは、恐怖心である・・ローマ帝国は世界征服を目指していたわけではない。国の防衛を目指し、その目標に取り組むうちに帝国になった(p65)


・日本が2020年代になっても、まだ遠慮がちな平和主義国のままでいるとは考えがたい。もちろん、日本はできるだけ長くこのスタンスを維持するだろう。・・今後日本が人口や経済面で重圧を経験することを考えれば、この転換はまず避けられないだろう(p215)


・アメリカとて、日本ともトルコとも戦争をするつもりはない。アメリカの狙いは、ただ両国を締め付けて活力を損ない、アメリカの要求に従順されることにある(p257)


・日本とトルコも戦争は望まないが、恐怖に駆られてやむなく行動を起こすのである・・・アメリカにとってはささやかな要求が、両国にとっては自らの存続を脅かす要求に思われる(p263)


・宇宙では視界が確保でき、安全な通信が可能なほか、敵対的目標をはっきりと追跡することができる。したがって戦闘管理の場も、地上から宇宙に移るだろう(p272)


・アメリカは学びつつあった。焦って戦いに突入すれば、確かに衝動はいくらか満たされる。だが戦いが起こらないようにーあるいは他国同士で戦わせるようにー状況をとりしきることの方が、実は解決策としてははるかに優れているのだ(p321)


▼引用は下記の書籍からです。

100年予測―世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図
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【私の評価】★★★★☆(85点)



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■目次

アメリカの時代とは何か
アメリカの時代の幕開け
地震―アメリカの対テロ戦争
人口、コンピュータ、そして文化戦争
新しい断層線
二〇二〇年の中国―張り子の虎
二〇二〇年のロシア―再戦
アメリカの力と二〇三〇年の危機
新世界の勃興
二〇四〇年代―戦争への序曲
戦争準備
世界戦争―あるシナリオ
二〇六〇年代―黄金の一〇年間
二〇八〇年―アメリカ、メキシコ、そして世界の中心を目指す闘い


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