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「代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホントの話」飯島 勲

2015/10/27公開 更新
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代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホントの話 (講談社文庫)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 内閣官房参与である飯島勲さんの一冊。普通の人が知らない永田町のトピックを集めいています。


 まず、議員秘書という仕事は、平均在職年数が3年と非常に短い。つまり、決して楽な仕事ではないのです。


・国会議員の有志が秘書の平均在職年数を調べたことがある。出てきた数字は四年から五年。ただしこれは公設秘書だけのデータで、私設秘書も加えれば、おそらく平均三年弱というところだろう(p22)


 そして、議員ともなれば、政策も大事だし、支持者との人間関係も大事だし、もちろんお金もマスコミ対策も選挙も大事なのです。


 そうした中で、仲間を作り、派閥を作り、できれば親分になりたい。こうしてみると、永田町では政策重視というのが建前であり、義理人情の比重がかなり高いように感じました。


・通常、利口な派閥の親分になると、閣僚候補のリストは二枚つくる。ブンヤさん用には、数多くの名前を書いたリスト。官邸用には、絶対入閣させたいと思う人物を絞り込んだリスト。(p245)


 選挙で落ちればただの人が、政治家という職業です。政治家とは、特殊な職業であり、かつ国家の運命を決める重要な仕事だと思いました。


 政治家を決める仕組みというものをもう少し勉強してみたいと思います。飯島さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・世間の人は驚くかもしれないが、大臣室のお茶菓子の予算はない。予算があるのは外務省と官邸だけで、それ以外は大臣の持ち出しだ。・・自腹でないのは公務で使う車だけなのだ(p42)


・組閣の場合、まずは閣僚ポストの二、三倍の候補者がノミネートされ、リストが作成される。すると、次にこのリストに載った政治家名が、首相から警察庁を介してそれぞれの先生の地元の県警本部に伝わる。すると各県警本部の捜査二課では、該当する先生の個人情報のレポートを作成して官邸に提出しなければならなかった(p66)


・内閣(そして役所も)で一番困るのは、もうそろそろこの内閣は終わりだなとわかった時点で、各派閥からどうしようもない人を全部押しつけられることだ・・内閣が弱い時は、集まる者もみんな弱い(p261)


・末は局長とまではいかなくとも、高級官僚のよさは定年になってから。天下りで就職支度金をたっぷり支給され、個室、クルマ、秘書つきで月給百万円以上という人生が待っている(p180)


・官僚というものは、法律を逸脱した行動は絶対にとらない・・政治家とは、法律の枠組みから超越したことを考え、従来の常識から逸脱したことができる存在なのだ(p215)


・叙勲の大前提として、ノミネートされた人は、日本国の法律を遵守していなければならない。・・たとえば過去三年間に道交法違反の事実があれば、それだけで候補者リストから外される(p227)


代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホントの話 (講談社文庫)
飯島 勲
講談社
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【私の評価】★★★★☆(84点)



目次

第1章 新聞、テレビではわからない永田町の素顔
第2章 選挙は日本でできる唯一の戦争だ
第3章 秘書はあらゆることを知っていなければならない
第4章 暇な先生のパフォーマンスにだまされるな
第5章 大臣への道


著者経歴

 飯島 勲(いいじま いさお)・・・1945年生まれ。小泉純一郎の初当選から議員秘書。小泉の内閣総理大臣在任中は、内閣総理大臣秘書官。


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