「日本人の知らない「クレムリン・メソッド」-世界を動かす11の原理」北野 幸伯
2014/12/26公開 更新

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【私の評価】★★★★★(96点)
要約と感想レビュー
『まぐまぐメルマガ大賞2014』ニュース・情報源 第一位の北野さんの最新刊です。(第二位は、『一日一冊:人生の智恵』)
北野さんは、以前からアメリカの没落を予想し、そして、本書ではエネルギーの暴落を予想しています。的中しているんじゃないですか?!みなさん。このように予想が的中するのは、北野さんが大きな時代の流れ、そして、国際社会を動かす原理を理解しているからなのです。
・近い将来、「エネルギー価格」が下がり、エネルギー資源国の経済が悪化する(p179)
北野さんが国家を見るとき、国家のライフサイクルを考えます。日本、アメリカ、EUは成熟期であり、だんだんと衰退していく。それに対し、中国、インドは、成長期。だから、アメリカと次を狙う中国が、衝突することは避けられないのです。
二つ目の視点としては、国家は、国益のために戦っているということ。そして国益とは、「金儲け」と「安全」。さらに言えば、「金儲け」と「安全」に直結しているのが、エネルギーです。
・一国の影響力と国力を測る基準は「品格」ではない。それは、「金力」(経済力)と「腕力」(軍事力)である。(p50)
戦いは、すでに始まっています。戦いには、情報戦争、経済戦争、実戦の3つがあり、今は、情報・経済戦争中ともいえるのです。なぜ、中韓は、日本の右傾化、慰安婦問題を批判するのか。なぜ、アメリカはTPPを推し進めるのか。すべては国益のためなのです。
・情報戦争・・・なぜ、中国や韓国は、日本に関する大ウソを、堂々と世界に流布することができるのだろう?・・・中韓の人々は「俺たちは戦争をしている」という明確な意識を持っていることを、認識しなければなりません(p314)
次の北野さんの予言は、米中の代理戦争がおこるということ。恐ろしいことですが、これまでの歴史を見れば、代理戦争が起こる確率は高いのです。中国とベトナム、中国とフィリピン、中国と日本との対立が、米中代理戦争の予兆ということなのです。
・近い将来、「米中覇権争奪戦争」は「代理戦争」という形で起こる・・すでに兆候はあります。ベトナムで、フィリピンで、日本で。(p79)
多くの情報が流れる現代だからこそ、その情報をどう見るかが大事なのだと思いました。北野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「真実」は、「言葉」ではなく「行動」に現れる・・アメリカは・・南ベトナムを支援していました。しかし、1973年に撤退します。その翌年の1974年1月、中国は、南沙諸島の南ベトナム実効支配地域に侵攻し、占領(p42)
・世界では、いまも戦争状態が続いている・・
1 2001年~ ・・アフガン戦争
2 2003~2011年 ・・イラク戦争
3 2008年 ・・ロシアvsグルジア戦争
4 2011年 ・・リビア戦争
5 20014年 ・・ウクライナ内戦・・(p46)
・中国は、1950年のチベット侵攻から現在までに、虫も殺さぬチベット人を、120万人以上殺したといわれています・・「平和を愛するチベット人」が虐殺されたのなら、「平和を愛する日本人」が殺されない理由はいったいなんでしょうか?(p140)
・いまの世界は、主役・・・・覇権国アメリカ。ライバル・・それに猛追する中国。準主役・・・米中の間で動く、日本、ロシア、EU主要国(p62)
・日本は、欧米との友好関係を維持しつつ、インドとの関係をますます緊密にしてく。・・・さらに、同じ親日国家ロシアとの関係も、良好に保つべきです(p127)
・大国は他の大国に勝ち、小国を支配するために小国を守る(p144)
・国が「成熟期」に入ると、「移民労働者の大量流入」問題が起こる・・移民による「暴動」・・「移民の犯罪率の高さ」(p106)
・EU総人口に占める割合は、18.9%。約五人に一人がイスラム教徒ということになります・・100年単位で見ると欧州がイスラム圏になる可能性はきわめて高いと思われます(p110)
▼引用は下記の書籍からです。
集英社インターナショナル
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【私の評価】★★★★★(96点)
目次
第1章 世界はある「原理」で動いている
第2章 世界は自国の「国益」で動いている
第3章 なぜ、世界の動きが見えないのか?
著者経歴
北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国
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