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「坂の上の坂」藤原和博

2012/10/13公開 更新
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坂の上の坂


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー

 「坂の上の雲」という小説がありましたが、明治から昭和の時代は、仕事を続けて60歳で引退して、やがて死ぬ。つまり、雲を眺めながら走っていたら、坂を上り切り、あっさり死ねる。人生50年、60年の頃の話なのです。
 ところが、今は人生80年。60歳で引退しても、まだ、20年も30年も時間がある。つまり私たちは「坂の上の坂」世代なのです。


・日露戦争を戦った約百年前、「坂の上の雲」世代の平均寿命は、今の半分だった・・(p3)


 この本は、人生80年時代の私たちの生き方を考える本です。60歳からの生活を考えれば、
 ・家族を大切にする。
 ・仕事以外のコミュニティを作っておく
 ・疎開先を作っておく。
 ・孤独に慣れる。
ということは最低限、準備しておかなくてはならないのでしょう。


・会社以外のコミュニティを早めに探しておく(p168)


 60歳になって私は誰と何をしているんだろう。そうしたことをイメージしておきたいものです。そういう意味では、このメルマガも60歳以降の準備なのかもしれません。藤原さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・私は、将来的に57歳でも67歳でも、過去の業績を捨てるほどの「無謀」を冒すことが、むしろ「坂の上の坂」を乗り越えていく原動力につながるのではないかと信じています(p122)


・いざというときの"疎開先"を見つけておく(p238)


・相手に印象を残しやすい具体的な方法・・・例えば、マイナスの話をすること・・・また、図版や画像、映像などをうまく使う(p178)


・「本を読む奴じゃないと話す気にはなれない」飲み屋で聞いたある編集者のそんな一言もあって、私は猛然と本を読むようになります。年間百冊以上と決めて、酔っぱらって帰る地下鉄の中でも読むようにしました(p52)


・家のリビングから、テレビを追放する・・・アッパーミドルクラスの人々の間では・・・「リビングにテレビがあるのは、会話を楽しむ教養がない人たちがすること」(p58)


▼引用は、この本からです。
坂の上の坂
藤原和博
ポプラ社
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【私の評価】★★★☆☆(75点)



著者経歴

 藤原 和博(ふじわら かずひろ)・・・1955年生まれ。リクルート入社。東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任。1996年に同社フェロー。2003年東京都で民間人初の公立中学校長となる。


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