「名将に学ぶ人間学―この「人間力」を盗んでみよ!」童門 冬二
2012/02/20公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
■歴史は面白いといいますが、
学校の歴史の授業は面白くない。
では、どうやって歴史面白さを
教えてもらうかといえば、
本を読むしかありません。
そういう点で、この本は、
歴史に組織内の人間関係を
学ぶことができて面白い。
・気疲れする部下は切ってしまえ(p19)
■組織とは、人の集まりです。
人が集まれば、派閥ができます。
派閥があると、そこに人間関係が生まれ、
組織内の力に影響するのです。
組織の中でいかに泳ぎ、出世するのか、
ということは、昔も現代も
あまり変わらないようです。
・光秀は自分の能力に自信があるから、織田家内にある人閥のボスにおせじも使わないし、あいさつもしない・・秀吉のほうは反対だ。かれは、信長のところはもちろん、家中の閥という閥にはすべて顔を出す(p10)
■面白かったのは、
商人の倒産原因として、
「大名にお金を貸して踏み倒された」
というものが、かなり多いということ。
長州、薩摩がかなり踏み倒し、
商人を倒産させたようですから、
今の日本政府も踏み倒しとなれば、
日本の生保・銀行はまずいかもしれませんね。
・江戸時代、日本の大名のほとんどが財政難におちいった・・"藩政改革"と称して、それぞれ財政再建計画を立てて実行したが、その柱はなんといっても、「商人から借りた巨額の金を、いかに踏み倒すか」ということである。薩摩藩で立てた計画の中の、「三百年の年賦で返す」とか、長州藩の「いままでの借金は棚上げにする」とか(p233)
■江戸時代でも明治時代でも現代でも、
日本人は日本人なのだと
感じました。
同じ日本人が日本の歴史を
作っているわけです。
環境の差を割り引いても
ある程度は、歴史は繰り返すのでしょう。
童門さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・「まず、トップに存在を知られること」は上昇に欠くことのできない条件である(p51)
・「上に立つ者には、それなりの資格がいる。その資格のない者は人の上に立ってはいけないし、また、資格のあった者が怠けて資格を失ったときは、いさぎよくその座から去れ。・・・」孟子の"禅譲と放伐"の思想である。(p104)
・「余人をもって代えがたい人間」などこの世にいない・・・けっこう、のこった人間がうまくやっていく。場合によっては、その人間がいなくなったほうが、かえってうまくいっていることもある(p129)
・頭の鋭い人間は、その頭の鋭さ、切れ味のよさを見せてくれたほうが、その人らしいし、また安心できる・・・頭のいい人間は、むしろ、いつも頭のよさを示すことによって、自分の存在を確立すべきだ(p204)
・昔、日本に軍隊があったころは、「隊長さんはお父さん、副隊長はお母さん、班長さんはお兄さん」といわれた(p222)
【私の評価】★★★★☆(87点)
著者経歴
童門 冬二(どうもん ふゆじ)・・・1927年生まれ。東京都立大学事務長、東京都広報室課長、広報室長、企画調整局長、政策室長を歴任。1979年作家となる。
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