「人生の醍醐味を落語で味わう」童門 冬二
2017/03/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
■落語を通じて
江戸時代の知恵を
学ぼうという一冊です。
落語は時代も違いますので、
サゲ(落ち)で
笑えないこともあります。
本来の落語の面白さは
江戸時代の庶民の笑い話を通じた
生きる知恵を学ぶことなのでしょう。
・江戸時代に、
「重箱をかき回すには、スリコギを使え」
といった人がいます・・
多少のことは大目に見ろ・・
ということでしょう(p3)
■面白いところは、
落語にはどうしようもない
人間も出てくる。
口だけで出世する人もいれば、
仕事をしない放浪人もいる。
そうした人間らしい世の中を
今も昔も私たちは生きている
ということなのでしょう。
・江戸初期に大久保彦左衛門という武士がいました・・
「三河物語」という本を書きました。
この中で・・「出世しない者」としてあげたのは、
・最後まで主君に忠節をつくす者
・口下手な者
・自分の仕事を計算ずくで行わない者
・いつも自分の仕事について勉強を続けている者
・定年まで我慢強く勤める者・・
一種のアイロニー(皮肉)なのです(p198)
■落語の別の楽しみ方を
教えてもらったように
思いました。
また「東方落語」を
観に行こうかしら。
童門さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「厩(うまや)火事」という落語に出てくる
髪結いの亭主の噺にあるセリフです・・
亭主はぐうたらで終始酒を飲んだり
博打をやったり、働きません。
そんなある日、女房が瀬戸物を
割ってしまいます。亭主は真剣な表情をして、
「おい、手は大丈夫か?」
とききます・・おめえにケガされたら
明日からおれは遊んで暮らせねえ」
これがサゲ(落ち)です(p18)
・「職場における会話は、
言葉による合戦だ」
といった人がいます(p37)
・原則として保っていたのは、
「一次会だけ付き合う」
ということでした(p48)
・一生懸命はいうまでもなく
"一所懸命"が正しい語源です(p191)
・「たとえ一文無しで旅に出ても、
全く苦にならない。
自分の技術を生かして、
滞在費ぐらいは必ず何とかする」
という自信がなければ、
本来の放浪願望は満たされない
のかもしれません(p145)
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
■目次
第1章 困った人付き合いに効く落語の一言
第2章 イヤな仕事を楽しむ落語の知恵
第3章 家族の人情を描く落語の名場面
第4章 憧れる?呆れ返る?落語的生き方のすすめ
読んでいただきありがとうございました!
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