「「情」と「知」のリーダーシップ」童門 冬二
2015/06/22公開 更新

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【私の評価】★★★★★(90点)
■夏目漱石は「草枕」で、
智に働けば角が立つ
情に棹させば流される
意地を通せば窮屈だ
と言っています。
とかく組織というものは、
バランスが難しいもの。
著者は、「情」と「知」との
バランスが大事だと言っています。
・木下藤吉郎の堀修理の話・・・
◎自分でやってみる。
◎そのうえで、緻密な計画を立てる。
を基にして、
◎仕事を細分化し、・・ひとつひとつに目標を設定する。
◎人間の競争心をかき立てる。(p100)
■組織のリーダーには、
責任はもちろんですが、
いろいろ考えるべきことがあります。
先をみた実行可能な方針。
方針を示して、詳細は考えさせる。
やるべきは断固してやる。
修正すべきは、即指摘する。
他人への心配り。
部下は上司の采配を受けながら、
観察しているのです。
・あまり先のほうを歩かない。
部下がついてこられるように、
一歩か一歩半くらい先を歩く。(p125)
■とかく、組織は生きにくい。
イギリスで引きこもりになった
夏目漱石の気持ちがわかったような
気がしました。
童門 さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・才走った人は、とかく、
部下が問題解決するのを待てず、
自分で断を下しがちだが、
それでは部下が育たない(p112)
・無理難題を吹っかけて、管理者の管理能力を
試そうなどという挙に出る部下は厄介だ・・・
部下のわがままは、決して容赦しない・・
管理者を舐めつづける部下には、
やはり厳しい態度が必要だ(p152)
・黒澤明さんは世界的な映画監督だったが・・・
セット撮影に入る前に、黒澤監督は、
スタッフや出演者全員に、必ず、
濡れていない雑巾を持たせて、
セットに組まれた大道具をから拭きさせる(p38)
・家康公は、お若い頃から、あまりものごとを
はっきり仰らなかった。特に人については慎重だった・・
上に立つ者は、下の者のことがよく分かる。
だから、そこであれは良いとか、これは悪いとか
言ってしまえば、下の者はそれで士気を阻喪してしまう(p87)
・普通、「俺の宝は、
俺のために生命を捨てる五百人の部下だ」
などとはテレくさくて言えない。
しかし、それを敢えて口にするところに、
家康の真骨頂があった(p78)
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【私の評価】★★★★★(90点)
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■目次
序章 管理者としての原点を忘れていないか!
第1章 「情」のリーダーシップ―温かさのない人にはついてこない
第2章 「知」のリーダーシップ―部下の能力をどこまで高められる
第3章 「一体感(共感)」のリーダーシップ
―「情」と「知」が人と組織を変える
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