「【中国版】サブプライム・ローンの恐怖」石 平
2011/03/12公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
要約と感想レビュー
ごまかしの報告が常識である中国の経済統計は、まったく信頼できません。そのなかで比較的信頼できるのは、GDPではなく、李克強指数と呼ばれる電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資です。李克強指数が正しいとすれば、中国はマイナス成長の可能性さえあるのです。
中国の不動産バブル、日本の財政赤字、ユーロの財政危機、ドルの暴落。今は、ユーロが注目されていますが、それぞれ厳しい状況に変わりはないようです。中国の経済は、本当に大丈夫でしょうか。祈るしかありません。
この本で私が共感した名言
・GDPに占める個人消費の割合を示す「個人消費率」という指標があるが、米国はたいてい70%程度で、日本の場合は常に60%前後である。しかし中国の場合、2010年度の数字では、わずか37.5%であった。・・・経済が成長すればするほど、庶民の財布のひもが堅くなる・・・一つの原因は、中国における社会保険システムの不備である(p37)
・1企業が輸出することによって中国製の商品、すなわちモノは海外市場に出ていく、2外貨は政府の手元にとどまって、政府の外貨準備高となる、3その外貨分に相当する人民元が銀行から発行されて国内企業の手に渡り、国内市場で流通する(p45)
・エリートと金持ちは『西遊記』をやり、高級幹部は『紅楼夢』を楽しみ、地方政府は『三国演技』を繰り広げる。庶民たちはやることが何もないから、皆で『水滸伝』を演じてみせる・・(p132)
・中国には軍を統制する憲法や法律がない(p184)
▼引用は下記の書籍からです。
幻冬舎
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
目次
序章 中国バブルの崩壊は目前に迫っている!
第1章 ジャブジャブ刷ったカネで溺死寸前
第2章 本当はリーマン・ショック前から悪化していた中国経済
第3章 中国不動産バブルはここまで悪化している!
第4章 インフレで死ぬか、バブル崩壊で死ぬか
第5章 民衆による暴動が止まらない
第6章 軍事大国の脅威と恐ろしさ
終章 革命前夜―暴走時代の幕開け
著者経歴
石平(せき へい)・・・評論家。1962年、中国四川省成都市生まれ。1980年、北京大学哲学部に入学後、中国民主化運動に傾倒。1984年、同大学を卒業後、四川大学講師を経て、1988年に来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了し、民間研究機関に勤務。2002年より執筆活動に入り、2007年に日本国籍を取得。
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