「石油の歴史」エティエンヌ・ダルモン、ジャン・カリエ
2011/03/11公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
■純粋に教科書的な一冊でした。
この本で、20世紀を振り返ると、
20世紀は石油の世紀であったことが
わかります。
日本も石油で追い込まれ、
太平洋戦争に
踏み込むことになりました。
・1941年6月にドイツがいくつかの構想、
なかでもカフカス地方の石油を手に入れることを
考えて、ソ連に侵攻した(p79)
■現在もこうしたエネルギーの外部へ依存と
脆弱性は変わりませんので、
石油で追い込まれるリスクは常にあるという
ことなのでしょう。
すでに石油価格は高騰して
しまっていますが、
エネルギーの安定調達のためには、
軍事、経済、政治のあらゆる断面で
考慮しておく必要があると感じました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・山下(太郎)はまず・・サウジアラビアとの折衝を始め、
ついでクウェートとの交渉に当たった。ここでも
資本金の拠出を求めず、さらに有利な利益分割
(サウジアラビアに対しては56%、
クウェートには57%)も申し出ていた。(p94)
・アメリカでは、石油業者が土地所有者に支払う
石油使用料は、一般的には油井に掲示された
原油価格の12.5%だった。(p86)
・1973年10月6日、エジプトとシリアが
イスラエルに奇襲攻撃を仕掛けたのだ。・・・
サウジアラビアのヤマニ石油相が統括する
OPECの代表団は公示価格の倍増を要求し、
石油企業はみずからの立場を明らかにする前に
自国政府に意見を求めた(p120)
・会社間の競争は価格の「安売り」ではなく、
製品やサービスの品質によって
もたらされるべきだ
(デターディング)(p40)
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)
■著者経歴・・・エティエンヌ・ダルモン
1910年カナダ生まれ。
パリ国立高等鉱山学校を卒業し、
パリ大学法学部で法学博士。
1935年シェル・フランス入社。
戦後、トタルで副社長、社長を歴任。
■著者経歴・・・ジャン・カリエ
1922年パリ生まれ。
フランス国立統計・経済研究所の行政官から
トタル入社し、ドイツ・トタル社長、
トタル経済担当役員を務める。
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