「たそがれゆく日米同盟」手嶋 龍一

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たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■F2支援戦闘機といえば、
 名古屋空港で配線ミスで墜落したのが記憶にありますが、
 世界で始めて、炭素繊維強化複合材や
 フェーズドアレイレーダーを使用するなど
 意欲的な戦闘機です。


 このF2支援戦闘機開発について
 日米交渉が行われたのは、
 ちょうど日米貿易摩擦が問題となっていた頃です。


・アメリカ製戦闘機の直接購入を求めるアメリカと
 日の丸戦闘機の自主開発にこだわり続ける日本・・・
 「FSXの日米共同開発案は、ちょうど世故に長けた老人政治家が、
 足して二で割ったような妥協策として考え出したもの(p363)


■本書では、いかにしてFSXの日米交渉が
 進んで行ったのか。


 アメリカのFSX賛成派と
 反対派の戦い。


 こうした流れを見て行くことで、
 こうやって国際交渉が進んでいくんだ、
 と教えられる一冊です。


 これらはテレビを見ていても
 分からないことでしょう。


・もし日本が、独自に研究、実験、開発をおし進めていけば、
 十年後には、日本の航空機産業は、われわれの想像を超える水準に
 達する危険がある。だた、共同開発という路線を選択すれば、
 日本の飛躍を牽制することができるはずだ」ブラッドレー(p302)


■私が感じたのは、日本に技術供与し日米関係を強化
 しようとするグループと、日本はアメリカの仮想的であり、
 技術供与する必要はないとするグループの
 勢力争いがあるということです。


 これらのどちらの勢力が力を持つかで、
 二国間の関係は決まってしまうと思うと、
 それはあまりに微妙で、それこそ
 ちょっとしたことで変わっていくもののように
 感じられ、ゾッとしました。


■この本を読めば、日米交渉をテレビで見ても、
 この裏ではこんなことが行われているはず、
 と子供に言って聞かせられると思います。


 まず、ワシントンに駐在になったら、
 犬を飼いましょう。


 手嶋さん、よい本をありがとうございます。
 本の評価は、★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ヘンリー・スタックポール司令官は「在日アメリカ軍は、
 日本の軍事大国化を抑えつける『ビンのふた』だ」という
 驚くべき本音を披歴していた(p352)


・「大統領との距離がすべてを決める」
 とういアメリカ政治の鉄則(p176)


・「ワシントンで独自の人脈を築きたければ、まず犬を飼えばいい」
 ・・・下院議員トーマス・ダウニーの夫人クリスが、
 この街に移り住む友人に贈る助言である。(p26)


・「政治は血を流さない戦争であり、
 戦争は血を流す政治である」という
 毛沢東の持久戦の思想(p17)


▼引用は、この本からです。

たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
手嶋 龍一
新潮社
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4 日米同盟の危機
5 取材者が陥る罠に落ちなかったノンフィクション作品の金字塔

【私の評価】★★★☆☆(71点)



■著者紹介・・・手嶋 龍一(てじま りゅういち)

 1949年生まれ。
 NHK政治部記者として外交・安全保障を担当。
 ワシントン特派員。ハーヴァード大学国際問題研究所フェロー。
 ボン支局長、ワシントン支局長を歴任。
 2005年独立して外交ジャーナリスト。


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