「マネジメント改革の工程表」岸良 裕司
2009/01/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
仕事を一人でこなすことができるようになると、次に新たな壁がやってきます。それは、チームで仕事をしていくことです。一人で仕事をしているときには、期限に合わせて自分の仕事をこなしていけばよいのですが、他人と仕事を分担していくとなると、簡単にいくはずがありません。この本では、そうした初心者リーダーのために、世の中の優れた親方(チームリーダー)が、どのように工程管理をしているのか教えてくれます。
まず、親方は、部下に「どれくらいの期間で仕事ができるのか」を質問します。もし、答えが「二週間」であれば、それをバッサリ短く査定(たとえば一週間)して、その部下が予定どおり終われるか、終われないかのギリギリの納期を設定します。こうして、他の部下の仕事も厳しく査定していきます。
・サバ取りの議論の方法・・・ひとつは、バッサリ型。・・・バッサリと半分に切ってしまう。・・・オススメなのが、コミュニケーション型。・・・議論しながら、五分五分の期間に詰めていく(p165)
しかし、こうしたスケジュールで全体のスケジュールを組み立てると、かならず遅れが発生します。そこで、親方はプロジェクト全体としての余裕を確保しておくのです。つまり、部下から余裕を引き剥がし、余裕は親方だけが持っている状態にするのです。
こうすることで、部下はギリギリの納期に挑戦しながら、プロジェクト全体としては余裕を持っているので、安心して仕事ができるわけです。
・辣腕マネジャーは厳しい納期を部下に要求する。・・・さらには、上司はイザというときに「親方バッファ」を使って現場を守る。(p64)
こうして見ると非常に単純ですが、思ったよりこの親方の知恵を知らない人は多いのではないでしょうか。プロジェクトに関係する人には必須の知識ですので初めて知った人は買いましょう。本の評価としては★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・日常の進捗管理をするのはとてもかんたんだ。作業担当者に「あと何日?」と質問するだけなのだ。(p84)
・「問題があるとしたら何がある?」と質問すること(p89)
・工程表を前から読むときに声を出すことは重要だ。・・・みんなの頭の中でシナリオを具体的にイメージして考えるようになり、それがチェックにもなる(p156)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
1 経営とプロジェクト
2 経営改革をジャマするもの
3 サバの読み方・使い方
4 目標を共有する
5 改革の工程表をつくる
6 ゆとりのマネジメント改革
著者経歴
岸良 裕司(きしら ゆうじ)・・・ゴールドラット・コンサルティング・ディレクター。日本TOC推進協議会理事。1959年生まれ。84年大学卒業後、京セラに入社。半導体の営業に取り組む。2003年、土木積算ソフトでトップシェアの(株)ビーイングヘッドハンティングされる。経営推進室長として経営改革に取り組む。
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