「人生生涯小僧のこころ―大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界」塩沼 亮潤
2009/01/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)という「修行」があるらしい。高低差1300メートル往復48キロメートルを一日16時間かけて往復し、それを1000往復、48000キロメートル歩き続ける修行です。(地球一周より長いじゃないですか)この本を読むと、確かにこの大峯千日回峰行はすごいな~と思います。
しかし、本当にすごいな~と感じるのは、著者が、「苦行だから悟れるのではない。生きていく中で悟ることができる。人生はすべて修行である。」と言い切っていることです。
・山で修行した人だけしか悟れないというものではない。それぞれの生活の中で、それぞれに与えられた役目を果たしていく中で、心を研ぎ澄ませ、目を凝らし、耳を澄ませたとき、いろいろなことが悟れる(p237)
私も1751の本の感想を書いてきましたが、一日一日続けていると、だんだんと、世の中で、それぞれの役割を地道に行っている人のすごさを実感し、感謝の気持ちが出てくるようになりました。つまり、毎日、料理を作っている家内、24時間発電所を運転している人など、社会を支えている人たちへの感謝です。
この本では、過ぎ去ったことをくよくよしない、これから起こりうることに思い悩まない、そのときに応じて懸命に努める、今日一日を大切に生きて、恨みや憎しみといった瞋恚(しんに)の感情を心に蔵い込んでおかないことを勧めています。成功哲学の本に書いてあることは、修行でもわかるということなのでしょう。
・雨の日には「雨さん、ありがとう」生かされているという当たり前のことが、心からありがたいという心になったとき、本当の幸せを得ます。(p184)
この本の最後に、あほう(ちょっとバカ)になることが難しいと書いてありました。まったくそのとおりだと思います。成功哲学の最終段階はそこにあるのでしょう。非常に大切なことが書いてある本でした。しかし、そのすごさがすべての人にわかるのだろうか?と感じながら、本の評価としては★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・苦と思えば苦、楽と思えば楽(p21)
・「どんなに偉くなっても、人の下から行きなさい。皆さんにお仕えさせていただくという気持ちは忘れてはいけない」(母の言葉)(p51)
▼引用は、この本からです。
致知出版社
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【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
プロローグ なぜ千日回峰行をはじめたのか
第1章 千日回峰行とはどういうものか
第2章 私を行に向かわせたもの
第3章 千日回峰行までの道のり
第4章 心を磨く千日回峰行
第5章 いつも次なる目標に向かって
第6章 流れの中でありのままに
エピローグ 人生生涯小僧のこころ
著者経歴
塩沼 亮潤(しおぬま りょうじゅん)・・・1968年生まれ。1987年吉野山金峯山寺で出家得度。1999年吉野・金峯山寺1300年の歴史で2人目となる大峯千日回峰行満行を果たす。2000年四無行満行。2006年八千枚大護摩供満行。現在、仙台市秋保・慈眼寺住職。
千日回峰行関連書籍
「一日一生」酒井雄哉
「人生生涯小僧のこころ―大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界」塩沼 亮潤
「比叡山大阿闍梨 心を掃除する」光永圓道
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