「サラリーマン・サバイバル」大前 研一
2008/11/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
職場にある書類を読みまくる
コンサルタント会社「マッキンゼー」時代の大前研一氏の仕事術が非常に参考になる一冊です。大前研一氏は、「企業参謀」という書籍で出版デビューしましたが、これは、マッキンゼーの コンサルティングにおける手法(フレームワーク)をまとめたノートを書籍化したものでした。原子力技術者から経営コンサルタントとして転職し、右も左も分からない状況から、夜や土日に、マッキンゼーの過去の仕事の資料を読んでノートにまとめてたものです。これは、普通の企業においても、異動したらその職場にある書類を読みまくることで、より早くその職場に適応することができる、という応用がききそうです。
『マッキンゼー』の膨大な経験がマイクロフィッシュ(多数のコマを並べて撮影した約10センチ四方のマイクロフィルム)で東京事務所のライブラリーに置いてあった。就業時間が終わってから夜遅くまでマイクロフィッシュを読んだ。土曜・日曜も・・(p82)
とりあえず部下にやってもらう
また、大前さんの上司としてのスタンスは、自分がその仕事をやる覚悟をもったうえで、とりあえず部下にやってもらうという考え方です。つまり、自分がやるべきことをあえて部下にやってもらっている。部下が駄目なら、自分でやっちゃうよ、ということです。こうした覚悟を持っていれば、部下の能力が低くても、「部下を叱責する」必要もなく、余裕の気持ちで部下に仕事を任せることができるのでしょう。よく「こいつは使えない」などと部下を批判する人がいますが、そうした人は上司失格であると、バッサリ切っています。
私には100の成果を出す責任がある。その一方では、上司として部下の力を伸ばす責任もあるので、とりあえず部下に仕事を任せる。・・・部下が97をやってくれれば、私は3しかやらなくてすむ。逆に部下が3しかできない場合、私はあとの97をやらなければいけなくなるわけだ。(p111)
どんな仕事でもやる人が成功する
また、マッキンゼーで成功する人は、概してどんな仕事を振られても、断らずにやっていたという。断らないことで上司の評価が高くなることと、何でも体験することで経験値とノウハウが身につくのでしょう。
大前さんの仕事の考え方と、世の中の見方が参考となる一冊でした。一人ひとりの実力が求められるビジネスマンにお薦めの一冊だと思いますので、★3つとしました。
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この本で私が共感した名言
・私は『マッキンゼー』で社員を何千人も見てきたが、不思議なことに、成功する人間としない人間には唯一、明らかな違いがある。それは、成功する人はどんな仕事でも厭わずにやるが、成功しない人は仕事を選ぶということだ。(p92)
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
第1章 「知的ホワイトカラー」をめざせ
第2章 「知的に怠惰な人」は、リストラの餌食になる
第3章 実力を見極め、向上させる発想法
第4章 世界標準から見た会社の常識・非常識
第5章 年金破綻・ビッグバン時代の資産運用
第6章 デジタル・ネットワーク社会はボーダレス・ワールドだ
著者経歴
大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。
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