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「日本の真実」大前 研一

2008/03/10公開 更新
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「日本の真実」大前 研一


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

ベスト・プラクティスを示す

大前研一氏の強さは、海外を含めたコンサルタント経験から、視野が非常に広いということでしょう。海外にはこうして良くなった事例があるとベスト・プラクティスを示すことができるのです。歴史的な背景を説明しながら、問題点を明確に指摘して、その対応策の仮説も説明できるため、説得力があるのです。


例えば、海外では大学と民間企業で、人事交流があります。民間企業の一流の人が、大学で教えていたりするのです。大学の役割は「社会人として飯を食べていくために必要なスキルを身につける場所」であるとし、大学教育にアカデミックなことなんてまったく必要ないとまで言っています。


現実を直視し率直に判断する

また、役人でもなく、産業界にも属さないため、制約のない自由な主張ができることが大きいと思います。特に政治については、核武装論、靖国問題の異常さ、役人の犯罪についてはっきり主張できるのは、しがらみをまったく考慮していないので、気持ちがいいくらいです。


例えば、非核三原則は「我が国は核抑止力のない丸腰の国です」と北朝鮮に宣言しているようなものと断言し、本来なら日本の新聞は、北朝鮮が核ミサイルを配備したら日本はどうするべきなのか、という問題を提起しなくてはならないと主張しています。


こうして読んでみると、海外の経験が長く、日本のあり方を指摘し、人材の育成に活動する大前研一氏は、現代の福沢諭吉ではないかと思いました。多くのしがらみから、すぐに実現は難しいのでしょうが、現実を直視し、率直に判断するとこうなるのだな、と思いながら、★4つとしました。


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この本で私が共感した名言

・日本政府は強い産業が嫌いである。アメリカが日本の強い産業(歴史的には繊維から始まって、テレビ、自動車、半導体・・など)が嫌いだからだ。日本政府はアメリカに目をつけられた産業の勢力を削ぎ落とすことを自分たちの任務と心得ている(p36)


・国の政策や予算を実質的に決定している官僚が私たち国民に損害を与えても、日本の現行制度の中では、その責任を問うことができない・・・課長以上の公務員はすべて特別背任罪の対象とすべきである。(p146)


・日本人の大半は知らないようだが、銀行の企業に対する債権放棄は法律違反である。・・・銀行の株主は「なぜ、地獄の果てまで追いかけていって取り立ててこないのか」と言うべきである。(p137)


▼引用は下記の書籍からです。
「日本の真実」大前 研一


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1章 鉄のトライアングルからオクタゴンへ
第2章 海と空の国際競争力の欠如
第3章 幼児国家の病理
第4章 屈折する日本人の「愛国心」
第5章 教育を憲法で再定義せよ
第6章 何でもかんでも「超法規」
第7章 「豊かさ」実現の新思考
第8章 日本経済「常識のウソ」
第9章 金はなくても改革はできる



著者経歴

大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。


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