「小さなサトリ―ミニ・エンライトメントが人生を変える」無能 唱元
2007/12/30公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
人は40歳もすぎると、自分の人生について考えることが多くなるようです。子どもがいれば、親の気持ちがわかるようになって、昔を思い出して、感涙する。そして、先人が亡くなる場面に立ち会う機会が増えれば、自分もいずれ死ぬのだなとぼんやりと思うのです。
この本は、「地上最強の商人」を翻訳された唱元さんが、人生について語るエッセーとなっています。成功法則、モテ本、時間術・・・などの情報が溢れる今、唱元さんは日々どのような思いですごされているのでしょうか。
・五十代も半ばを過ぎる頃より、こんなときに、ある一つの思いが、漠然とではありますが、心に浮かぶようになりました。それは、「いずれ、自分も死ぬ」という思いです。(p143)
唱元さんが人生で目指しているのは、「退屈」しないこと。実は唱元さんは欲張りで、退屈しないように、やりたいことだけやってきたという。お金も、名誉も、女も欲しいから、なりふり構わず、いつもそれらを追いかけてきたと告白しています。
ただ、唱元さんは華美な生活は送りません。食事も質素。これは、お金がないからではなく、豪華な食事を楽しむために、感覚を麻痺させないために質素にしているのです。日本にはお祭りや行事などを行う「ハレ」の日と、普段の日常生活を過ごす「ケ」の日という分類があります。ハレとケという差があるから、生活にメリハリが生まれて、ハレの日を楽しむことができるのです。
・消費生活を単純にすることは大切なことです。・・・美食多食は、とにかくおいしさに対する舌の感覚を鈍麻させます・・食の楽しさには、適度の空腹感と、できれば友情が必要なようです(p58)
また、無能さんは読書をしたり、本を書いたり、セミナーを開きます。頭を使うことで、人間はボケることを予防できるだけでなく、エネルギーが内側から湧き上がってくるという。創意工夫をするという頭脳労働行為が、脳を活性化し、若返らせるのです。
さらに、使命感があるとさらに良いようです。使命感は人の人生を豊かにするだけでなく、人の寿命を伸ばす効果もあるのです。目的のある人生は、その人の生命も活性化させるのでしょう。自分の好きなことを、肩肘張らずにやっていこうよ、と気楽になれる一冊でした。★3つとします。
この本で私が共感した名言
・「普通に暮らしていることって、すっごく幸せなんだ!」ある日、十九歳になったばかりの少女がそう言うのを聞いて、ああ、この「気づき」こそ、「サトリ」というものだんだなあ、と私は一つの感動とともに思い入りました。(p97)
・この世には、「善人は若死にする」などという凄いことわざがあり、実際そういう実例を見聞きすることがあります。・・・確かに、人間には悔い改めることも必要ですが・・・「自分を許す」という精神的作業が必要になるのです。(p66)
・ツキは対人関係における心の交流、それも主として、会話中において生じてくるものなのです。・・・ツキを自分に呼び込むための第一条件は、「相手は今、何を考えているのか?」という配慮・・・が必要になるのです。(p81)
▼引用は、この本からです。
河出書房新社 (2007/11)
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1巻 サトリとは、どんなことなんだろう
第2巻 気軽に悟ろう
第3巻 人生を楽しもう
第4巻 世はすべて事も無し
著者経歴
無能 唱元(むのう しょうげん)・・・独自の「人蕩術(じんとうじゅつ)」を説き、自分の思い描く夢や願望を確実に達成する方法を指導する異色の師。15年間の参禅修行中に、「自分の人生の成功や幸福はすべて自分の潜在意識『アラヤ識』がつくりだすもの」という悟りを得て、飛騨の円空庵禅通寺小倉賢堂師より「唱元」の法名を授かる。その後、数多くの仏典や西洋哲学、心理学を学び、潜在意識を活用した「人蕩術(じんとうじゅつ)」という、これまでにない願望達成法を完成、唯心円成会を主宰。昭和14年、長野市生まれ。平成23年逝去。
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