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「巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」」渋澤 健

2007/06/25公開 更新
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「巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」」渋澤 健


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

500社もの企業設立に関与

私は日本の経営者の巨人としては、渋沢栄一と松下幸之助が思い浮かびます。渋沢栄一は、明治初期に500社もの企業の設立に関係し、日本近代国家の基礎を作った偉人です。


そうした企業を挙げてみれば、王子製紙、東京海上保険、日本郵船、清水建設、東京電力、東京ガス、東京石川島造船所、帝国ホテル、東京製鐵、札幌麦酒会社、帝国劇場(現東宝)、日本興行銀行とこれはすごい。


渋沢栄一の教えは、松下幸之助と共通点があるように感じました。それは、営利事業というものは、個人の活動ではあるものの、実際には公的なものであるという意識です。


個人を利すると共に国家社会も利する事業なるや否やを知ること・・・(p186)

熱情なき人が多ければ国は滅ぶ

そして、理想を持ち、着実に実行していく。つまり目的と理想を持ち、理想を実現するのが、人の務めであるというのです。こうした成功法則の基本は、当然のこととして書いてあります。


そのうえで、これで満足だという時は、すなわち衰える時であり、熱情なき人が多くなれば、国は必ず滅ぶとまで言っています。


自分が信じぬことは言わず、知った以上は必ず行うという念が強くなれば、自然に言語は寡黙になり、行為は敏捷になるものである。(p60)

理外の理を知る

また、松下幸之助は、理外の理といって、説明しにくいのだけれども、現実はそうなっているという知恵を経営者は持たなくてはならないとしていました。


この本でも、「ゆっくり急ぐ」というような、わかったようなわからないようなことばがでてきます。渋沢栄一には、その理外の理を数多く知っていたのではないかと感じました。


もはや渋沢栄一に会えない以上、こうした本で、渋沢栄一の考え方を学ぶのは貴重だと感じました。★4つ(88点)とします。


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この本で私が共感した名言

・真似はその形を真似ずして、その心を真似よ(p44)


・世人は、一もニもなく彼を順境の人と思うであろうが、実は順境でも逆境でもなく、その人自らの力でそういう境遇を作り出したに過ぎない。(p94)


・金はそれ自身に善悪を判別するの力はない、善人がこれをもてば善くなる、悪人がこれをもてば悪くなる。(p238)


▼引用は、この本からです。
「巨人・渋沢栄一の「富を築く100の教え」」渋澤 健


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 心にも富を貯えるための教え
第2章 行いを研ぎすますための教え
第3章 規律を学ぶための教え
第4章 運のつかみ方を知るための教え
第5章 教育の理想を説いた教え
第6章 家族と幸せになるための教え
第7章 人と人の関係を楽しくする教え
第8章 会社の本質を見抜く教え
第9章 社会を元気にする教え
第10章 世界とともに生きるための教え
第11章 お金儲けの哲学が光る教え



著者経歴

渋澤 健(しぶさわ けん)・・・1961年生まれ。渋澤栄一の5代目の子孫。小学校2年生で父の転勤で渡米。1983年テキサス大学を卒業。1987年UCLA経営大学院を修了、MBA取得。その後、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、ヘッジファンドのムーア・キャピタル・マネジメントなどを経て、2001年投資コンサルティング会社シブサワ・アンド・カンパニーを設立。2007年、コモンズ株式会社創業。


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