「日本の敗因―歴史は勝つために学ぶ」小室 直樹

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日本の敗因―歴史は勝つために学ぶ (講談社プラスアルファ文庫)

【私の評価】★★★★☆(85点)


●この本の結論は、
 第二次世界大戦は、物量で負けたのではなく、
 軍部の腐敗官僚によって負けたということです。


・日本はアメリカの物量に負けたのではない。・・・
 これは、敗戦責任を逃れるための軍部の口実にすぎない・・
 あの戦争は無謀な戦争だった・・・
 腐敗官僚に支配されたまま、
 戦争という生死の冒険に突入したこと。
 それが無謀だったのである。(p26)


●そして、現在の経済戦争でも、企業の強さではなく、
 経済官僚(財務省、経済産業省)の腐敗によって
 負けるだろうということを予想しています。


・戦前・戦中の日本は、軍事官僚が日本を支配していた。
 戦後の日本は経済官僚が日本を支配している。
 その官僚制があまりにもよく似ているため、
 同様の「敗戦」に導かれるであろう(p305)


●確かに、旧大蔵官僚は、護送船団方式で
 銀行を弱体化させ、「総量規制」により
 地価、株価の下落を加速させました。


 経済産業省も、多くの産業分野において規制を残し、
 支配力を維持しようとして、
 産業を弱体化させています。


・マックス・ウェーバーは、
 「最良の役人は最悪の政治家だ」といったが、
 まさにその通りである。(p314)


●こうした官僚支配を打破するために、
 著者は、政治家が主導権を持つこと。


 そして、それを可能にする人材を
 育成することを提唱しています。


 日本軍の官僚化と現在の官僚組織との類似点を明確にし、
 官僚の恐ろしさを明らかにした名著ということで、
 ★4つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・乱脈経営で破綻した信用組合の理事長と癒着していた
 田谷廣明や中島義雄。彼らは民間人だったら懲戒免職だろう。
 それを辞任で許してしまった。
 おまけに、多額の退職金をせしめさせて(p188)


・外務官僚の宣戦布告は、奇跡的怠慢さをもって行われた・・・
 井口貞夫参事官と奥村勝蔵書記官とは、
 飲みすぎて、グデングデン・・・
 宣戦布告の通告は遅れた。・・・
 下手人たる井口参事官と奥村書記官とは・・・
 外務事務次官にまでなった(p120)


・開戦以前に、「パイロット二万人養成計画」というものを
 ぶちあげた人物がいるということだ。
 すばらしい計画である・・・
 実行されなかった理由は、・・・
 戦争が終わったあと、
 彼らをどうするのか、
 ということだった。(p200)


▼引用は、この本からです。

日本の敗因―歴史は勝つために学ぶ (講談社プラスアルファ文庫)
小室 直樹
講談社
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おすすめ度の平均: 3.5
5 著者の警鐘は今も遜色がない
3 あくまで参考に
3 読みやすい内容です
5 馬鹿で,しかも弱虫な人間が多いとこうなる
3 新しい発見はありますが、あまり後に残らないかも

【私の評価】★★★★☆(85点)



■著者紹介・・・小室 直樹

 1932年生まれ。大学卒業後、フルブライト留学生となり渡米。
 マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学で、
 経済学、心理学、社会学、統計学を学ぶ。その後、東京大学
 大学院法学政治学研究科修了、法学博士。
 社会、政治、経済について評論家として活躍。著書多数。


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