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【書評】「素直な心になるために」松下幸之助

2006/01/17公開 更新
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素直な心になるために (PHP文庫)


【私の評価】★★☆☆☆(69点)


要約と感想レビュー


謙虚に耳を傾ける

松下幸之助は「素直な心」というものをよく口にしています。そしてこの本は、その「素直な心」について、松下幸之助の考えをまとめたものです。


松下幸之助は「素直な心」を「だれに対しても何事に対しても、謙虚に耳を傾ける心」と定義しています。


シンプルですが、これを本当に実践できている人がどれほどいるでしょうか。


素直な心というものは、だれに対しても何事に対しても、謙虚に耳を傾ける心である(p34)

自分を正しいと信じ込む罠

なぜ、それまでに松下幸之助が「素直な心」についてこだわるのかといえば、その「素直な心」というものが、いかに難しいものであるかということだと思います。


例えば会社では、上司は部下を自分の思ったとおり動かそうとします。それは自分が獲得した知恵、ノウハウ、スキルを伝えたいのかもしれませんが、実は、人は言われるよりも、自分で考えたことのほうがわくわく実行できるかもしれないのです。


それもも知らず識らずのうちに「自分は正しく、部下が間違っている」という前提で、上司は部下を動かそうとします。部下に成果を出させたいと思いつつ、部下の成長を阻んでいることに上司が気づかないということもあるのです。


人間というものは、どうしても知らず識らずのうちに自分中心に、あるいは自分本位に物事を考えがちになって、他人から見たらずいぶんおかしいことでも、一生懸命に考え、それを正しいと信じている場合が多いからではないでしょうか(p165)

何が正しいか見極める

企業においては、役職が上がるほどこの問題が深刻になります。情報は上に届くにつれて歪められ、都合の悪いことは報告されにくくなります。


その結果、経営者は自分が正確な現実を見ていると信じながら、実際には歪んだ情報のなかで判断を下すことになります。いかに真実を見つめ、正しく判断できるか。それがその人の、そして組織の将来を決めていくのでしょう。


素直な心になれば、現状にとらわれるということがなくなって、つねに何が正しいか、何がのぞましいかということがおのずと考えられ、それがスムーズに見きわめられていくようにもなるでしょう(p87)

素直な心を養う

では、素直な心はどうすれば養えるのでしょうか。著者の答えは意外なほどシンプルです。素直な心になりたい、という強い願いをもつことです。


技法や方法論ではなく、まず「なりたい」という願いを持つことが出発点だというのです。願いを持つことで、日常のなかに素直でなかった自分への気づきが生まれ、少しずつ変わっていけるということなのでしょう。


本としては、「素直な心」だらけで「くどいな」という感じで★2つとしましたが、「素直な心」の大切さは、いくら語っても語り足りません。


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この本で私が共感した名言


・お互いが素直な心を養おうとする場合には、やはり何といってもまず初めに、素直な心になりたい、という強い願いをもつことが必要だと思います。(p162)


・物事の道理をよくわきまえ、度量も大きく、指導者として公の怒りをもってなすべきをなしたというように、信長は信長なりに素直な心を大いに働かせていたと思うのです。(p122)


・"無理をしてはいけない"ということは、お互いの日常生活においてしばしばくり返しいわれていることではないかと思います。・・しかし、このあたりまえのことが、実際にはなかなか守られにくいようです。(p138)


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【私の評価】★★☆☆☆(69点)


目次


序章 素直な心の意義について
第1章 素直な心の内容十カ条
第2章 素直な心の効用十カ条
第3章 素直な心のない場合の弊害十カ条
第4章 素直な心を養うための実践十カ条
終章 素直な心になることを願いつつ



著者経歴


松下幸之助(まつした こうのすけ)・・・パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者、PHP研究所創設者。明治27(1894)年、和歌山県に生まれる。9歳で単身大阪に出、火鉢店、自転車店に奉公ののち、大阪電燈(現関西電力)に勤務。大正7(1918)年、23歳で松下電気器具製作所(昭和10年に松下電器産業に改称)を創業。昭和21(1946)年には、「Peace and Happiness through Prosperity=繁栄によって平和と幸福を」のスローガンを掲げてPHP研究所を創設。昭和54(1979)年、21世紀を担う指導者の育成を目的に、松下政経塾を設立。平成元(1989)年に94歳で没。


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