【書評】「場を支配する「悪の論理」技法」とつげき東北
2018/11/04公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
常識が違う人
確かに世の中には、自分の常識を超えて「頭がおかしいの?」と思われる人がいます。
そういう人は頭がおかしいので議論で論破しても納得してもらえず、あまり意味がないのでは、と思うのですが、この本では論破しようとします。
例えば外国人問題で、その国の常識と日本の常識が違うことがあるのです。
相手は「性的暴行をした加害者は悪いから、その被害者の少女に殺されて当然」と主張した。こんなものは現代日本ではまったくデタラメな発想だ(p33)
常識やマナーや道徳で制約をかける人
また、常識やマナーや道徳で制約をかけてくる人もいます。これは外国人問題と同じでそれまで既得権を持っていた人が、常識を変更されるのは嫌でしょう。
一種の主導権争いであり、どちらが正しいのかというよりも勝か負けるかということなのでしょう。
道徳家は常に「被害者意識」を持つものと思われる・・「押しつけ」だとか「迷惑だ」だとかの発想に、その兆候は顕著に表れる。「価値観を押しつけるな」という主張もまた典型的な「押しつけ」であるし、ある人にとっては「迷惑をかけるな」という主張ほど迷惑なものはない(p149)
成功の名言の罠
読書をいっぱいしてインプットばかりしていると、頭が知識だらけになってしまうという。(あっ、俺か?!)そういう人も確かにいるんだなぁ~と面白く読みました。
「やらずに後悔するよりはやって後悔するほうがいい」と言いながら、何度も失敗した人を馬鹿にしています。
「あきらめたらそこで終わり」も、自分に都合よくコントロールすることを目的としているとしています。
「若いうちに苦労せよ」と言いながら、自分が経験した苦労を他人にもさせようとするタイプもいるという。
確かにそうだな、と思うところもありますが、それは違うよと思うものもありました。自分で判断しましょう。
とつげき東北さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・「ウチの会社の待遇が嫌なら、辞めればいい!」・・問題をすりかえること・・・「日本の政治に不満があるなら、日本から出て行け!」等も同様(p88)
・現代の日本人は真面目で平均的な教育を受けており、さらに協調性もあいまって、「ルールを守ろう」と考える人は多い。しかし「自分たちにとって有利なルールをつくって押しつけよう」と思いつく人は少ないように思う(p167)
・将来きっと役に立つ、といった「意味」があるからこそ、「合理的に」考えればその種の行為が選択される・・では、いつになったらその「未来」がやってくるのだろうか・・多くの人々は・・欲動をほとんど無意識に封印し、そうであるがゆえに人生を「楽しむ」術をまだ知り尽くしていないのである(p178)
・他者が「調子に乗っている」とムカムカし、知り合いの成功さえ素直に喜べず、権力ある人々を引きずりおろそうと必死にあがく。なんと不健康なことだろう(p183)
・目の前にボタンが置かれている。ボタンを一度押すごとに、あなた及びあなたとある程度関係のある人物を除いたランダムな日本人が1人、刺し殺されてしまう。ただし、あなたはその都度、1万円もらえる。この行為が誰かに「バレて」警察に捕まってしまったりすることはありえないとする。あなたはどうするか(p195)
フォレスト出版 (2018-10-20)
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目次
まえがき 物事を正しく考えるための処方箋
I なぜ、あなたの主張は通じないのか?
ダメな議論
ダメな議論リターンズ
知性が足りない人たちの「悪の名言」を分析する
II 悪の論法の見破り方と使い方
代表的な詭弁術を分析する
詭弁の矛盾を突く方法・利用する方法
III パワーゲームと論理、そして非論理
「権力」という論理と詭弁の彼岸
「道徳」という非論理の典型と排他性
本物の「自由」を手に入れるための思考実験
付 録 悪の名言辞典
著者経歴
とつげき東北(とつげきとうほく)・・・1976年兵庫県生まれ。東北大学工学部通信工学科卒。北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科中途退学後、中央省庁に勤務。2004年、ベストセラーとなる麻雀戦術書『科学する麻雀』を出版。麻雀の科学的研究の第一人者とされ、各種学会で講演を行う。元東京大学非常勤講師、デジタルハリウッド大学特別講師。2018年現在では、国家機関を離れ、某研究機関にて統計学関連の研究に従事している。
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