「民間防衛 新装版―あらゆる危険から身をまもる」スイス政府編
2006/01/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
●私はスイスに5か月間、滞在した経験があるのですが、
その滞在中に、違和感を持つことがいくつかありました。
たとえば、次のようなことです。
・成年男子は定期的に射撃など軍事訓練がある。
・各家庭に機関銃と銃弾があり、
短時間に武装した予備兵を動員できる。
・核シェルターなど防空壕がある。
・平和・軍縮を唱える人は、非国民と思われている。
●この本によりこれらの違和感が氷解しました。
この本は、スイス政府により、
各家庭に一冊ずつ配られたもので、
平時の食料備蓄から、戦時の対応まで、
心得から実際の対応までが書かれたものです。
平時に他国の情報機関が、
いかに相手国を弱体化しようと
工作することについても明記しています。
・国を内部から崩壊させるための活動は、
スパイと新秩序のイデオロギーを信奉する者の
秘密地下組織をつくることから始まる・・・
数多くの組織が、巧みに偽装して、
社会的進歩とか、正義、すべての人々の福祉の追求、
平和というような口実のもとに、
いわゆる「新秩序」の思想を
少しずつ宣伝していく。(p228)
●「失敗するものは失敗する。でも備えはできている。」
というスイスのことわざのように、
あくまでも現実を直視し、
準備するというスイスのすごさを感じました。
・第一次大戦において、また、第二次大戦において、
われわれが攻撃を免れたのは、
偶然によるものではない。
この幸い、それは、みずから守ろうという
われわれの不屈の意思と、わが軍隊の
効果的な準備とによるものである。(p233)
●日本に対して、
言い換えれば次のようになるでしょう。
第二次大戦において、われわれが戦争に追い込まれ、
敗北したのは、偶然によるものではない。
それは、みずからを守ろうという
われわれの不屈の意思と、
わが軍隊の効果的な準備がなかったからである。
●スイス国民のための本ではりますが、
ぜひ一読していただきたい一冊ということで
★3つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・われわれは、脅威に、いま、
直面しているわけではありません・・・
しかしながら、国民に対して、
責任を持つ政府当局の義務は、
最悪の事態を予測し、準備することです。(p6)
・「わが国では決して戦争はない」
と断定するのは軽率であり、
結果的には大変な災害を
もたらしかねないことになってしまう(p25)
・われわれが祖国を救うためと思ってやっていても、
敵の工作に幻惑されるならば、迷ってしまって、
われわれらしくないことをする
といった危険がある。(p162)
原書房
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国、人間を守る
表面的には平和な国、日本
民間向けの本です
とある古本屋さんで
【私の評価】★★★☆☆(79点)
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