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「社長脳を鍛える!」岩松 正記

2006/01/19公開 更新
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社長脳を鍛える!


【私の評価】★★★☆☆(74点)


要約と感想レビュー

 親の気持ちは、親にならないと分からないと言いますが、同じように社長の気持ちは、社長にならないと分からないのでしょう。中小企業の社長は自分の金で創業し、借金が返せなければ、自分が債務保証をしているのですから必死さが違うのです。


 自分の給料は自分で稼がなくてはならないのが社長であり、損失が出たら自分の損失になるのが社長なのです。ハイリスク・ハイリターンを地で行くのが、中小企業の社長なのでしょう。


・社長になって大きく変わるのは、言うまでもなく、毎月の給料をあてにできなくなることです。(p128)


 とはいえ、だれでも社長として務まるわけではありません。そこで、この本では、社長になったときにぶち当たる課題を提示してくれるので、社長の悩みが具体的にわかるり、社長は大変だな~と実感できました。


 社長がすべて仕事をするのではなく、組織として仕事を進めていくのが、社長の仕事なのです。つまり、会社の役割別に組織を作り、自分がいなくても動く仕組みを作るのが社長の役割なのです。


・例えば、創業期から長年苦楽をともにしてきた社員のクビを切らねばならないようなとき・・・直接伝えるのは別のまとめ役の部下か人事担当の部下にやらせなければなりません(p79)


 社長は自分の判断が直接、会社の業績を通じて自分に帰ってきます。そのような厳しい状況の中で、正しい判断をするためには、自分の仕事に対する価値観や目標を確立することが必要だと思いました。


 そのために会社の状況を数値化し、経理を視える化して、数字に基づく経営判断をしていく必要があるのでしょう。会社が車だとすれば、社長は運転手でダッシュボードに表示されているのが、経理や経営指標なのです。


・社長が自分の目標、自分の会社の目標をはっきりさせないということは、自分だけでなく、自分を取り巻く多くの人々を不幸にしてしまうということを、社長は強く自覚しなければなりません(p66)


 社長の脳は社員の脳と同じではダメということがよくわかりました。事例が多いのも読む側としてはありがたい。そうした社長の悩みを疑似体験できる良書ということで、★3つとしました。


この本で私が共感した名言

・そもそも、自分に最も身近な人々である家族ですら上手に扱えない人間に、会社組織や従業員たちを管理することなどできるはずがないのです。(p59)


・ある社長は貸借対照表の二期比較を重視していました。「損益は残らないが資産、負債は残るもの。だから資産と負債の増減には理由がなければならない」(p170)


・ある会社では、営業や現場系だけでなく、事務職においても日報の記載を30分単位にして従業員の作業内容を管理しています(p206)


社長脳を鍛える!


【私の評価】★★★☆☆(74点)



著者経歴

 岩松 正記・・・1967年生まれ。山一證券、アイリスオーヤマ、会計事務所勤務等を経て、2003年税理士登録・開業。上場準備会社の公開準備等を行った後、2004年仙台市青葉区に事務所開設。


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