「イーグルに訊け―インディアンの人生哲学に学ぶ」天外 伺朗、 衛藤 信之
2005/05/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
インディアンは95%が死に絶えた
アメリカのインディアン、オーストラリアのアボリジニ、メキシコのインディオ、北海道のアイヌなど先住民といわれる人たちがいます。これら先住民は、精神的に非常に高いレベルの文化を持っていました。しかし、その文化は消えようとしています。
アメリカ人はインディアンを居住地という収容所に移住させ、補助金を出してそれまでの生活を放棄させ、インディアンの文化を破壊したのです。
白人がアメリカに移住する前は、推定一千万人いたとされるインディアンは、白人の直接間接の虐殺によって、その九五パーセントが死に絶えました。(天外)(p165)
自然と一体であるという思想
本書は、アメリカン・インディアンの自然と一体であるという思想こそ、ストレスの多い現代社会で見直すべきものと提案しています。自分の身の回りにあるものや自分の身に起きることをすべて神からのプレゼントと見なし、全部を受け入れていこうという思想があるのです。
私にはインディアンの考え方は、一昔前の日本人の考え方と似ていると感じられました。お年寄りについての考え方も、核家族化が進む日本への警鐘になっているように感じます。お年寄りを大切にするということは、お年寄りの知恵を大切にするということなのです。
お年寄りと子どもを離してはいけない。彼らを引き離すことは、過去と未来を断つことと同じだ(ラコタ族長老のことば)(p64)
自然と一体であるという思想
日本人に足りないのは、自分への自信なのだという。自信がないから出世や大きな家といった表面的な所有物にこだわり、丁重に扱われないと不満になったり、他人と自分を比較して落ち込んでしまう人が多いというのです。
衛藤さんは、外国人から不親切にされても気にしないという。ただ、私はサムライだ。不親切にされても親切に答えるというのは、日本のサムライのスピリッツだからな。それくらいは覚えておけ。今後日本人に会っても、決してバカにするなと言ったことがあるという。
日本のよさ、インディアンのよさを再認識するとともに、日本人が先住民のようにならないように、何をすべきか考えさせられる一冊でした。資本主義に生きている現代人に警鐘を投げかける一冊なのでしょう。
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この本で私が共感した名言
・インディアンの長老は、「自分の生きざまが子どもたちへのプレゼントだ」と考えています。(衛藤)(p133)
・インディアンにしてみれば、お年寄りが一人亡くなるということは、図書館が一つなくなるくらいの大きな損失なのです。(p117)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第1章 インディアンとの出会い―現代人は幸せか
第2章 儀式の持つ力―人間のつながりを取り戻す
第3章 感謝して生きる―本当の豊かさとは
第4章 インディアンがくれるヒント―私たちはどこに向かっているのか
著者経歴
天外 伺朗(てんげ しろう)・・・1942年生まれ。ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所所長。大学で電子工学を専攻した後、ソニー研究所入所。フィリップスと組みCDを共同開発する。ワークステーションNEWS、ロボット「AIBO」の開発責任者。
衛藤信之(えとう のぶゆき)・・・日本メンタルヘルス協会代表。心理カウンセラー。インディアンとの生活経験があり、南カルフォルニアで学んだ人間性中心心理学を基に、日常に役立つ人間関係スキルのオリジナルプログラムを開発。年間約200本の企業講演・社員研修を担当、日本一企業顧問数の多い心理カウンセラー
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